価格は通常版が1万2600円、簡易パッケージの「安心音Pure」は6200円(送料込み)。通常版は、波の音などの自然音と合わせたCDや、桐の高級ケースなどのオプションも選択可能。購入層は20~30代の妊婦がメインだが、「妊娠した娘へのプレゼントに贈りたい」という両親からの問い合わせも多いそうだ(画像クリックで拡大)

 妊婦の胎内に響く心音を録音し、オーダーメイドのCDにしてくれるサービスが、「夜泣きしている子どもに聞かせると泣き止む」「出産の記念になる」と好評だ。

 商品名は「安心音」で、発売は2009年9月1日。電話やインターネットで申し込み、支払いをすませると、購入者の自宅に録音用のレコーダーが郵送される。1回1分間程度の心音を3回録音して返送すれば、60分の音源に編集されたCDが送られてくる仕組みだ。

 販売元は、宮崎県延岡市に本社を置くオリオン。商品化に携わった同社企画部長の河野靖美さんは、商品開発までのきっかけをこう語る。

 「もともと私は乳幼児教室の講師をしていたのですが、育児現場の中、愛情表現の苦手な親が年々増加していることに不安を感じていました。不足しがちな親子の愛情を補い、子供に安心を届けたい。その方法を模索した結果、妊婦の胎内の心音をCDにする発想に行き着いたんです」

 開発にあたっては、胎内の音の忠実な再現にこだわった。妊婦一人ひとりで心音は異なるため、音の編集はすべて手作業。そのノウハウを確立するまでに、何百というサンプルを試したという。

 CDのほか、送付した赤ちゃんの写真や体重などのデータを元に、専用の本を作ってくれるサービスも付属する。今年の6月30日からは、「もっと手軽に」という要望に答え、CDのみの簡易版「安心音Pure」の販売も開始した。

 2つ合わせて月70個程度の売り上げを見込んでいたが、7月にメディアで取り上げられると売り上げが急増。目標値のほぼ2倍の142個を売り上げ、続く8月も、26日時点で136個の売り上げを記録した。8月からは月100件体制で対応をするも生産が追いつかず、出産日の近い人から優先して録音機材を送っている状態だ。9月には、さらに月300件ペースへと生産体制を拡大。中国や韓国での販売も予定しており、来年1月には月1000件の売り上げを見込んでいる。

 我が子を思う母の鼓動。世界で最も優しい音がいま、急速に全国へと広がり始めている。

(文/森石 豊=Office Ti+)