JAL、ANAのマイルは「2年間ためて1年前に申し込み」が基本

――普通の人では、100万マイルためるのは難しいですか……。

櫻井:実際のところ、会社で海外出張を頻繁に行ける立場にないと、普通の人はマイルを大量にためることはできないのが現状です。

――では「ミリオンマイラー」になれない人たちは、何を目標にして、マイルをためるべきなのでしょうか。

櫻井:目標はやはり「マイルで家族旅行」でしょう。だって、自分だけのためにマイルを使うと、家族から嫌われてしまいます(笑)。やはりマイルは家族に還元しないといけないですよ。

 また日本の航空会社のマイレージ制度は、あらゆる買い物や生活支出に伴ってマイルがためられる仕組みです。ですから誰でも、マメになりさえすれば、海外旅行へ無料で行けるぐらいのマイルはためられるのです。

 普通の人がマイルをどれぐらいためられるのか、ざっくりした目安で言うと、努力すれば年収400万円の人は年間4万マイル程度はためられるイメージです。年収500万円であれば、可処分所得が上がるので年6万マイル獲得可能です。年4万マイルたまれば、1人であればハワイへの海外旅行に行けます。それを3年間続ければ12万マイルたまるわけですから、「家族3人で海外旅行」という目標が達成できるわけです。

――では、マイルを3年計画でためていけば、誰でも「マイルで家族旅行」を実現できるのですね。

櫻井:ただし、ここで問題になるのは、日本の航空会社のマイルは実質的には2年間でためた分しか有効活用できない仕組みになっていることです。

 日本の航空会社のマイルの有効期限は、確かに3年間あります。しかし、良いシーズンの日程や人気路線で国際線の特典航空券を取ろうと思うと、申し込み開始となる約1年前から申し込まなければ座席が取れません。

 例えば、人気路線のタヒチへの特典航空券は、私も取れた試しがありません。また国内線で最も特典航空券が取りにくいのは夏休みシーズンのリゾート路線でしょう。

 ファーストクラスを特典航空券で取るのも至難の業です。ビジネスクラスに何回も乗るような人が、ファーストクラスの特典航空券を狙っていますからね。最近は、ビジネスクラスでも特典航空券は取りにくくなっています。

――好きな時期、路線に特典航空券を取るのは難しいですね……。

櫻井:しかし特典航空券は、通常の航空券とは違って予定の変更が自由にできます。しかも1年前からの予約が可能など、利点がいくつもあります。特典航空券は搭乗便を変更できない割引タイプの航空券とは違い、ほぼ普通運賃の航空券に近いオールマイティの威力がある、非常に価値があるチケットなのです。

 話を戻すと、マイルは2年間ためてから1年後の旅行に向けて特典航空券を申し込む、こんな人生計画を立てておくと、価値ある使い方ができるのではないでしょうか。

――なおJAL、ANAだけでなく、海外の航空会社のマイルをためるという選択肢もあるのでしょうか。

櫻井:国内の航空会社に比べるとマイルはためにくいのですが、ユナイテッド航空などは、日本でも還元率が高い提携クレジットカードがあるので見過ごせない存在です。

 ちなみに最近面白いと思っているのは、ルフトハンザ ドイツ航空です。ルフトハンザは、三菱UFJニコスが提携クレジットカード(Miles & More UFJカード)を発行しています。このカードを使っているユーザーならば、ルフトハンザのマイルが無期限にためられるので得です。

 またルフトハンザのファーストクラスは「世界最高」を標榜しているらしいよ。マイルを使って、ぜひ乗りたいよね。

記者の一口メモ

 実は、ルフトハンザと同じ航空連合「スターアライアンス」に加盟しているANAのマイルをためていれば、そのマイルを利用して、ルフトハンザのファーストクラスに乗ることも可能です。ただし、日本―ヨーロッパ間で、1人14万マイル必要になりますが……。

ルフトハンザ ドイツ航空のファーストクラス客室(エアバスA380)。遮音素材や吸音カーテンを使った「世界で最も静寂なファーストクラス」というのが最大の特徴。またシートは長さ2.07m、幅80cmの広いベッドになり、個人用クローゼットや湿度調整装置も備え付けられている(画像クリックで拡大)

 

(文/荒井 優=日経トレンディ)