連載第1回から第2回まで、サラウンドスピーカーシステムの魅力について紹介してきた。今回も引き続き「サウンド環境のパワーアップ」について検証していきたい。

 サラウンドスピーカーシステムを導入することで、32V型テレビ程度でも迫真の臨場感を体感できることは前回、前々回の記事でご理解いただけたかと思う。置く場所もボーズの「Lifestyle V35 home entertainment system」やオンキヨーの「BASE-V30HDX」などの小型スピーカーシステムであれば、それほど邪魔にならない。「予算さえ許せば、今すぐにでも購入を!」と強く勧めたいほど、テレビ本体のサウンドとシアターシステムのサウンドには隔たりがあった。

 だが「そうは言っても、うちはマンションだし……」という人も多いことだろう。確かに予算が許してスペース的にもOK、配線もバッチリでも、野中の一軒家でもない限り、あまり大きな音は出せない。防音設備を整えなければ「迫力の大音響」を楽しむことは難しいだろう。

 そこで今回は、ソニーの7.1chサラウンドヘッドホン「MDR-DS7100」にチャレンジすることにした。果たしてスピーカーシステム並みの臨場感を得られるのだろうか!?

実売3万円程度のお買い得価格で本格サラウンド!?

 届いたパッケージの巨大さには驚いたが、箱から出してみるととてもシンプルなデザインのプロセッサー(音声の入出力を行う「メディアセンター」のようなもの)とヘッドホンが現れた。プロセッサーの大きさはチョコレートの箱を一回り大きくした程度の小型サイズなので、設置場所に困るというということはまずないだろう。

ソニーが2009年10月に発売した7.1chサラウンドヘッドホン「MDR-DS7100」(画像クリックで拡大)

 プロセッサーの前面に配置されているのは電源ボタンのほか、入力切り替えの「INPUT」ボタン、サウンドモード切り替えの「EFFECT」ボタン、音のダイナミックレンジ(大きな音と小さな音の差)を圧縮して聞きやすくする「COMPRESSION」ボタンの3つを配置。入力端子は光デジタル端子2系統とステレオピンジャック1系統を備え、出力端子はスルー出力対応の光デジタル端子を2系統備えている。光デジタル入力2系統は必要最小限といった印象だ。

 密閉ダイナミック型のヘッドホンもシンプルなフォルムで、高級感はそれほどないが安っぽくもない、スタンダードな印象を受ける。ヘッドホンとプロセッサーの接続は2.4GHz帯のデジタル無線を採用している。

 ヘッドホンは充電式で、約3時間のフル充電で約13時間の連続再生に対応。約30分の急速充電で約4時間使用できる。他社のサラウンドヘッドホンでは、充電台を兼ねたプロセッサーに置くことで充電ができるというモデルもあるが、このモデルはACアダプターから直接充電するスタイルを採用している。スマートに使いたいという人にとっては、ちょっと残念な仕様に思える。

 音声フォーマットはドルビーデジタル/ドルビープロロジックIIx/DTS/DTS-ES/MPEG-2 AACに対応。ソニー独自のバーチャルサラウンド技術「新Virtualphones Technology」によって、多チャンネルの音源をバーチャル7.1chの音場感で楽しめるという。

 MDR-DS7100は実売3万円程度と、スピーカーシステムの導入にちゅうちょしている人でも買いやすい価格帯となっている。次ページからは、比較的手ごろな7.1chヘッドホンの音質や使い勝手に迫ってみよう。