今回メタル斬りするのは、3人の女性ボーカル。大ベテランの「松田聖子」と2名の新人「近藤夏子」「舞花」です。「松田聖子」のボーカルがマーティの心をとらえた理由とは?  また、現在発売中の「日経エンタテインメント!」8月号(表紙『ONE PIECE』のルフィ)ではK-POPアーティスト「4Minute」「超新星」「FTIsland」を分析しています。こちらもどうぞ。

 僕が松田聖子さんの音楽と初めて出会ったのは、まだメガデスに在籍していたころでした。ツアーで何度か来日しているうちに日本の音楽に興味がわいてきて、ファンの人たちに「お勧めのアーティストを教えてよ!」って聞いたら、聖子さんのCDをプレゼントしてくれた人がいて、そこから彼女の歌の世界にだんだんハマっていったんだよ。

 聖子さんのキャリアは、大きく分けると、だいたい3つの時代に分かれている気がします。第1期はアイドル時代で、『赤いスイトピー』とか、かわいらしいメロディーのポップスを歌っていたころ。第2期は、マドンナを意識したようなディスコっぽいダンスナンバーの時代。そして第3期は、もっと大人の魅力を前面に出した『あなたに逢いたくて~Missing You~』に代表されるような、きれいなバラードがメインの時代だよね。

 どの時代も素晴らしいけど、あえてひとつだけ選ぶとすると、僕は最近のバラード時代が一番好きです。彼女がバラードを歌うときって、声の伸ばし方がすごくきれいで、まるで甘いメープルシロップがゆっくりあふれ出てくるみたいなボーカルに僕はメロメロです。

 新曲の『いくつの夜明けを数えたら』も、そんな彼女の真骨頂と言えそうな美しいバラードです。サウンドも音色も時代を超越していて、20年前の曲って言われても信じちゃいそうだよ。お世辞にも新しいとは言えないだろうけど、聖子さんがいきなりPerfumeみたいな曲を歌ってもうれしくないじゃん(笑)。ラストのサビの繰り返しで転調が来るところも、彼女のバラードの定番技だってわかってはいるけど、それでもやっぱり鳥肌が出そうになっちゃいます。

 僕の耳で聴くと、日本の女性シンガーは高音パートの声が似てる人が多い気がするんだけど、聖子さんの声は誰とも似ていません。聴いた瞬間に「あ、聖子さんだ!」ってわかります。マックのハンバーガーを食べたら1秒でわかるのといっしょで、そこまでいくともう“ブランド”だよね!

松田聖子
『いくつの夜明けを数えたら』
デビュー30周年記念盤。「中国の歌謡曲には、この曲と同じパターンのバラードがたくさんあります。彼女が台湾で大人気だっていうのもうなずけるよ」。
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