じめじめとした季節に部屋の湿気をすっきり取り、快適性を高めるだけでなく、湿気による部屋の傷みやカビの発生を防ぐ除湿機。数年前には「スポット冷風」機能のついたものが登場し、「1人だけ涼しむのに便利で除湿もできる」と注目された。続いて冬場向けにヒーターによる温風機能付きのものが発売されるなど、多機能化してきた。

 とはいえ、除湿乾燥機はまだまだ梅雨時を中心にした「季節家電」という位置づけであり、「あれば便利かもしれないが必需品とはいえない」という意識の人が多いのが現状だ。市場動向を見ても、夏に雨が多かった2007年の76万8000台をピークに減少もしくは横ばい傾向にある。

 そんな除湿乾燥機がここに来て変化を見せている。シングルや共働き世帯の増加でニーズが高まっている「部屋干し」に対応できる衣類乾燥機としての役割が強化されているのだ。その筆頭ともいえるのが、三菱電機から発売されたばかりの「衣類乾燥除湿機・部屋干しムーブアイ」。エアコンや冷蔵庫の冷凍室でおなじみの温度センサー「ムーブアイ」を除湿機の吹き出し口近くに搭載。洗濯物の乾き具合をセンサーで見分け、濡れている洗濯物に狙いをしぼって効果的に風を送り、衣類を乾燥させる。薄手のものが乾いてきたら厚手のものに集中するなどムダのない乾燥をするため、省エネ性も高く、乾きムラも防ぐ仕組みだ。静かにしかも効率よく衣類乾燥を行う「夜干しモード」も備えている。

 パナソニックの「ハイブリッド方式除湿乾燥機」も、微粒子イオンの「ナノイー」によって部屋干し時の洗濯物の除菌をし、部屋干し特有のいやなニオイを抑制しながら衣類乾燥を行うほか、洗えない衣類を除菌する衣類リフレッシュ機能もつき、「部屋干し」を強力にバックアップ。コンプレッサー方式とデシカント方式を組み合わせた独自のハイブリッド方式を使った「速乾モード」では2キロの衣類を約45分(梅雨時)とスピーディに乾かす。

 また、東芝「冷・温風除湿乾燥機」の新製品には、オールシーズン使える除湿乾燥機としてさらに清潔性を高めるため、「抗花粉・ダニ・抗菌・抗ウイルスフィルター」を搭載。衣類乾燥時には温風スピード衣類乾燥を行い、温度と湿度を感知して乾いたころに自動で運転を停止する「乾きごろセンサー」によってムダな運転を防ぐ機能もついている。

 まだまだ必需品には至っていない除湿乾燥機だが、家電メーカーのアンケート結果によると、「除湿機ほど購入後満足度の高い家電はない」といっても過言でないという。除湿され、タンクに貯まった水を捨てる時の達成感のようなものに感動を覚えるという声もよく聞かれる。エアコンの除湿機能や洗濯機の乾燥機能、浴室乾燥機などライバルはあるものの、どこにでも気軽に運んで使え、衣類の仕上がり感もよく、省エネ性にも優れている2010年の部屋干し対応除湿乾燥機は、魅力的だ。“夏の家電”でなく、“通年使えるお役立ち家電”としてどこまで人気が伸びるか気になるところだ。

三菱電機「部屋干しムーブアイ」(画像クリックで拡大)

パナソニック「F-YHFX120」(画像クリックで拡大)

東芝「RAD-C100DFX」(画像クリックで拡大)