疲れやすく、だるい、めまい、頭痛がする。頭重感、動悸もある。さらに腰痛、しびれ感、食欲不振、便秘、下痢、不安、不眠、抑うつなども現れる。ビジネスパーソンのなかにはこんな症状でつらい日々を送っている人も少なくないようだ。病院、診療所で検査を受けてもとくに、異常が認められなければ自律神経失調症と診断される。
西洋医学では精神的、肉体的ストレスによって自律神経が失調して起こると考え、心理療法と体の不調に応じた薬や精神安定剤を用いて治療する。
漢方では西洋医学のように単に自律神経の異常によって起こるとは考えず、それぞれの症状が「気」のめぐりが悪くなって起こっているのか、あるいは「血」「水」がうっ滞しているかなどを考えて薬を選んでいく。
自律神経失調症の人は一般に虚証タイプが多く、「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「女神散(にょしんさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」などを使い分けていく。
柴胡加竜骨牡蠣湯は、体力があり肋骨の下のあたりを押さえると痛みを伴う胸脇苦満*1、肩こりのほか不安、神経過敏などの症状があるときに用いられる。薬方のなかの「竜骨(りゅこつ)」「牡蠣(ぼれい)」には鎮静効果があり、胸腹部の動悸を鎮め神経過敏、不眠、心悸亢進などに効果があると考えられている。「桂皮(けいひ)」には気の上衝を抑える作用があり、「茯苓(ぶくりょう)」には鎮静、強壮、利尿効果があるといわれている。
*1胸から季肋部及び脇にかけて膨満し、圧迫感があって、苦しい状態(日本薬学会 薬学用語解説)











