2年後の解約は料金負担が発生、無料解約には4年間利用が必須!

 2年縛りを導入する見返りとして「2カ月間の基本使用料が無料」という特典が加わった。2年間利用後の26カ月目と27カ月目の2カ月間、基本料(980円)を無料にするというものだ。2年ごとに基本料の無料期間が2カ月設けられ、トータルで1960円安くなるメリットがある。ソフトバンクを使い続ける人にとってはありがたい変更だといえよう。

 だが、解約のことを考えると問題がある。それは契約解除料と月月割の期間の違いだ。下の図は、新ホワイトプランと月月割の解約のタイミングをまとめたものだ。

 月月割とは、端末のローン期間に適用される割引のこと。ソフトバンクでは、24カ月ローンと一括払いの両方において24カ月分の月月割が適用され、端末購入の負担が軽減する仕組みだ。ただし、ローンと月月割は購入直後には発生せず、3カ月目から始まって26カ月まで続くシステムとなる。26カ月以内に途中解約すると月月割は消滅するので、月々の負担が大きくなってしまう。

 図を見て分かるように、新ホワイトプランの2年縛りと月月割のタイミングはズレている。ここが新ホワイトプランの落とし穴なのだ。もし、契約から2年ほど経過した時点でソフトバンク自体を解約しようと思った場合、以下のような負担増が発生してしまう。

▼(A)25カ月目
 2年に1度の更新月なので、新ホワイトプランの契約解除料はかからない。だが、端末の月月割が2カ月分消滅するので負担がアップする(iPhone 3GS(32GB)の場合は3840円の負担増)。

▼(B)26カ月目
 新ホワイトプランの基本料が無料になる。だが、新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。さらに、端末の月月割が1カ月分消滅するので負担がアップする(iPhone 3GS(32GB)モデルの場合は1920円の負担増)

▼(C)27カ月目
 新ホワイトプランの基本料が無料になる。だが、新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。端末の月月割は終了しているので関係なし。

▼(D)28~48カ月目
 新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。端末の月月割は終了しているので関係なし。

 AからDまで、どの時期でも何らかの負担が発生してしまう。まったくの負担ゼロで解約するには、なんと4年後の「49カ月目」をピッタリ狙わなければいけないことになる。あまり現実的とはいえない。

 もっとも、ソフトバンクの契約を解約しなければ関係ないので、該当するユーザーはそれほど多くないだろう。だが、実際に解約することになった場合、このような契約を覚えている人がどれだけいるだろうか? 解約する時に多額の負担が発生し、イヤな思いをすることは間違いない。

“改悪”が続くソフトバンクの料金制度

2007年1月、ホワイトプランを発表するソフトバンクの孫社長

 筆者が残念に思うのは、ホワイトプランのシンプルさが失われてしまったことだ。当初、孫社長がホワイトプランを発表した時は「ホワイトプランには※印などの付帯条件は一切ない。誰でも加入していただける」と発表会で語っていた。当初のソフトバンクは2年縛りという手法を使わず、他社の2年縛り付きの割引サービスを批判する姿勢を取ったこともある。

 だが、少し前から風向きが変わってきた。2年縛りを付ける代わりに端末を格安にする「スマート一括」を導入したり、iPhoneなどのパケット定額で2年縛りを条件にして定額料金を下げるなどの手法を採用し始めた。ホワイトプランなどの基本料を月月割の対象外にするなど、ユーザーにとって不利な料金改定を進めている。

 今回のホワイトプランの変更は、その最たるものといえそうだ。基本料そのものが2年縛りとなったことにより、心理的な負担が大きくなる。何らかの事情で解約せざるを得なくなった場合には金銭的な負担も発生する。

 ビジネスの手法としては理解できる。安い価格でユーザー数を増やしてから、コストを吸収するために徐々に値上げをするのは、特にネット関連のビジネスでは常識ともいえる。だが、ユーザー目線で見ると“改悪”にしか見えないのは事実だ。今回の新ホワイトプランへのユーザーの反応が気になるところだ。

 間もなく、旧ホワイトプランへの加入はできなくなる。すでに旧ホワイトプランを使っている人は、そのまま継続することを薦めたい。2カ月間ホワイトプランの基本料が無料になる特典を考えると、永遠にソフトバンクを使い続けるという人ならば切り替えた方がおトクになるが、そうでないならば縛りのない旧ホワイトプランを続けた方が結果的にトクするだろう。

筆者

三上 洋(みかみ よう)

◇携帯電話とセキュリティーが専門のテクニカルライター。「Yomiuri Online サイバー護身術」(読売新聞社)などの執筆のほか、テレビや新聞などにコメントを寄せることも多い。ケータイ料金を徹底分析してケチケチ節約することが生きがい。「ライター三上洋事務所」で個人ブログを公開中。