前夜、飲みすぎたわけでもないのに夜半に尿意をもよおして二度、三度も目が覚める。会社でも日に何度もトイレに立ち、出る量も少なく残尿感もある。ビジネスパーソンも40歳を過ぎてくると、こんな症状に悩まされることも少なくない。
排尿回数には個人差があるが一日、平均4〜6回といわれ、昼に8〜10回、夜間に2回以上もトイレに立つようになれば頻尿である。尿意をたびたびもよおしてトイレに立っても尿量が少ないのが特徴である。
その原因としては膀胱炎、尿管結石、前立腺肥大、脳梗塞、脳出血などがあげられる。このほかにストレスに弱い人に見られる神経性頻尿がある。普通の人でも、入学試験や就職試験の面接など極度に緊張すると尿がたまっていないのにトイレに行きたくなることはよくある。しかし、神経質な人はとくに緊張することもないのに自律神経の働きが亢進して尿はそれほどたまっていなくても何度も尿意をもよおす。
最近、頻尿などは過活動膀胱と診断されるようになった。症状に基づく診断名で通常、頻尿、および夜間頻尿を伴う尿意切迫感が認められる状態といわれている。尿意切迫感は、排尿筋が緊張して尿が溜まっていないのに尿意をもよおす症状である。
検査でとくに原因となる疾患がないと診断された神経性頻尿、夜間頻尿などには、漢方薬が適している。古典に「排尿障害は腎が虚して起こる」と書いてあることから、腎虚*1を基本に、また水毒*2を考えて利水剤などを選んで治療する。
*1腎虚(じんきょ):漢方で、虚弱体質・精力減退に類する症状(大辞泉) *2水毒(すいどく):水分の代謝が変調を起こしたもの。むくみ・胃内停水など。(大辞泉)











