2010年3月2日、大阪難波の高島屋大阪店が増床オープンした。本館東側のなんさん通りに面した旧事務所棟を改築し、既存店舗と接続して売り場を再構築。売り場面積は5万6000m2から約1.4倍の7万8000m2に拡大し、日本最大級の百貨店が誕生した。既存売り場も改装を進め、2011年春に全館オープンの予定だ。増床に関する投資額は450億円で、レストランフロアと合わせて320億円(09年度比)の増収を目指す。
老舗の風格が漂う、伝統と先進性を融合した外観デザイン。増床部分は正面左手。外壁にガラスのカーテンウォールを採用し、伝統的なコリント式列柱やアーチのデザインをとり入れた。入り口や通路を整備し、周辺施設との回遊性も高めている
大阪ミナミ地区では09年11月、新設の大丸心斎橋店北館が“安くてカワイイ”人気ショップを導入。従来取り込めていなかったヤング女性を中心に、新規客の呼び込みに成功している。さらに、10年3月6日にはファストファッションブームの火付け役となったH&Mが、西日本初の店舗を戎橋北側にオープン。ポイントも関西旗艦店で進出したほか、ユニクロ、ザラもしのぎを削る。週末には若者、外国人も含め1日約10万人が通行するミナミのメインストリートを中心に、顧客争奪戦がますますヒートアップしそうだ。
大阪市内では、14年まで百貨店の新規出店、新築、増床が続く。11年春にJR大阪三越伊勢丹(5万m2)が新規開業するほか、大丸梅田店も増床(6万4000m2)。翌年の12年春には、阪急百貨店梅田本店(8万4000m2)が建て替え工事を終え、全面開業する。さらに14年春は、日本一の高さのビルに近鉄百貨店阿倍野本店(10万m2)が全館オープンする予定だ。
市内百貨店の総売り場面積はこの5年で1.5倍近くになり、合併・資本提携で巨大化した百貨店の生き残りを賭けた戦いが始まる。しかし、ただでさえ業績低迷が続く百貨店業界が、売り場拡張で存在感を増し、顧客を取り戻すことができるのか。高島屋大阪店の新たな戦略からその可能性を探る。











