事業再生ADRを申請するなど経営危機が伝えられていたウィルコムだが、2010年2月18日、ついに会社更生法を申請。法的整理によって再建を図ることとなった。なぜこのような経緯に至ったのだろうか。改めて振り返ってみよう。
XGPへの投資と競争激化、金融危機で負債が膨らむ
会社更生法の申請をした同日、ウィルコムは記者会見を開いた。会場では久保田幸雄社長が、今回の措置に至った経緯などについて説明した。当日の様子についてはすでに記事で触れられている通りだが、まずはこれまでの出来事と会見内容から、改めて今回の措置に至った流れを振り返ってみよう。
そもそもウィルコムが法的整理に至ったのには、大きな負債を抱えていたことがある。2.5GHz帯を利用した高速モバイルデータ通信の「WILLCOM CORE XGP」(以下XGP)への投資がかさんでおり、2009年3月期決算の時点で約1285億円の負債を抱えていた。
当初、現在のPHSサービスの契約者から得られる収入と既存株主の投資をXGPの開発にあてれば、資金面の問題は解消できると考えられていた。だが、その目論みは大きく狂った。
1つは、市場競争激化による契約者数の減少だ。ウィルコムが得意としていた「定額データ通信」や「定額通話」の市場に、イー・モバイルなどの携帯電話事業者が相次いで参入。主力であったデータ通信の分野で、速度面で劣るウィルコムの契約者離れが進み、万単位の減少が続いた。
そしてもう1つは、世界的な金融危機だ。これにより、もう1つの頼みの綱であった既存株主、特に筆頭株主の投資会社、カーライルからの追加出資が受けられなくなった。相次ぐ社長交代劇があったことなどからも、その混乱の様子を見て取ることができる。
こうした状況下でも、今後の競争力強化のためXGPへの投資が必要だったことから債務は膨らみ、その返済に迫られていたのだ。
| 年月 | 純増数(PHSのみ) |
|---|---|
| 2009年2月 | 8300 |
| 2009年3月 | 6100 |
| 2009年4月 | -10600 |
| 2009年5月 | 7000 |
| 2009年6月 | -23600 |
| 2009年7月 | -18500 |
| 2009年8月 | -40500 |
| 2009年9月 | -42300 |
| 2009年10月 | -46600 |
| 2009年11月 | -38400 |
| 2009年12月 | -50600 |
| 2010年1月 | -58,500 |
| ここ1年のウィルコムのPHS純増数 (電気通信事業者協会(TCA)発表資料を基に作成) |
|











