【プロローグ】

 フォトグラファー集団「デジ侍」を率いる冒険写真家・豊田直之と、人と自然との交信に根ざした独自の景観思想『庭道』を説く気鋭の庭師・田中造景。仕事も見た目も(?)“異質”な二人が、今ここに新しいデジタル写真の原野を切り開かんと手を取り合った。

 瞬間がもたらす“刹那の美”をデジタルデータに留め、完成された今を5年先、10年先でも色あせない感動として焼き付ける豊田。一方、“未来の美”を未成熟な今の中から掘り起こし、5年先、10年先の感動を見据えて庭を創造する造景。対極に身を置く二人だが、目の前にあるシーンの本質を射抜く、決して軸のブレることのない「見識・眼力」は共通だ。それら二つを武器に、写真と庭、舞台は違っても彼らが生み出す作品が、見事なストーリー『写真の庭』を紡いでいく。

 さあ、「豊田と造景=豊造」と一緒に、究極のシーンを求めてデジタル写真の旅に出よう。その土地の人々と語り、その土地の恵みに舌を踊らせ、その土地を駆け抜ける風に肌を委ね、五感すべてを研ぎ澄ませて、撮る――それが豊造流だ。火花を散らす二人のぶつかり合いがもたらす結果がいかなるものか。それは当の本人たちですら予想がつかない。

 だから、無性に興奮する……。

(「写真の庭」プロデューサー・S)