冒頭から頭の痛い話になるが、太陽光発電システムに関する販売トラブルが急増しているようだ。
主に訪問販売において、補助金制度などのインセンティブについて「不実の告知」をし、購入者に不利なクレジット契約などを締結させるケースだ。
思いあまった経済産業省はこのほど、割賦販売の部署などが横断的に連携し、捜査・指導する取り組みを始めた。「国の振興政策に絡んでいて悪質」(同省商務流通グループ)との見方だ。
販売方法をめぐるトラブルについては、09年5月の当コラムでも取り上げたが、その際、経産省は「一切認識していない」とのことだった。この間、トラブルが急増して国をも動かしたということだろう。
メーカーも対応に追われている。
「販売店に対する研修を毎月実施し、補助金制度についての正しい知識や、投資金額の回収期間に関する正しい説明方法を学ばせる。独自にコールセンターを設けて、お客様からクレームが入った場合は、電話で直接お話をうかがい、販売店に問題があった場合は厳しく指導を行っている」(京セラ)
「販売代理店におけるコンプライアンス遵守徹底の指導、違反に対する社内規定策定の指導するなどの取り組みを行い、訪問販売に関連するトラブルの防止対策を行っている」(三洋電機)
「当社のモジュールを取り扱うホームエネルギーコンサルタントに対して、研修や訪問販売に対する注意点を徹底させる講義を実施。(09年)12月の特定商取引法の改正において、訪問販売時の注意点を信販会社から講師を招き、営業担当に対して講義を実施した」(昭和シェルソーラー)
こうした急展開な動きの背景には、09年11月に始まった「太陽光発電の新たな買取制度」がある。
いわゆる「固定価格買取制度」といわれる民間主導の国策で、同年8月施行の「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー減量の有効な促進に関する法律」という長ったらしい名称の法律に基づき、電気事業者に「10年間」、太陽光発電で生じた余剰電力を「一定の価格」で買い取ることを義務づけたものだ。
この法律の略称は「エネルギー供給構造高度化法」。家庭などの自家発電が電力需給に及ぼす構造について、抜本的に見直す狙いがあり、国の予算はゼロ。需要者が広く薄く負担する「全員参加型の制度」だ。この点、略称の方が法の趣旨を飲み込みやすい。
この新制度が猛烈な追い風となって、「(09年11月の)出荷台数は前年同月比の3倍」(京セラ)、あるいは「国内住宅向けは、(09年)11月以降は買取制度改訂の影響もあり、前年比およそ4倍で推移」(三菱電機)ともいい、電力会社も「固定価格買取制度の新規契約件数は(同比)2.5倍」(関西電力)などと、高額の耐久消費財としては異例ともいえる大躍進をみせている。
反面、冒頭で記したように、消費者としてはより一層、賢明な判断が求められるようになってきている。
そこで、今回は新たな制度をわかりやすく解説し、地域ごとに異なる初期コストやコスト回収に要する期間などを算出。さらに、固定価格買取制度でのシステムの選び方に変化がみられることから、メーカーによってどんな特徴があるのか、最新製品をラインアップする。
売電単価は従来の2倍に
なぜ「10年」に限定?
固定価格買取制度は、設置する場所を住宅用と工場など非住宅用に区分し、それぞれ受給電力量で売電価格、つまり電力会社に買い取ってもらう価格にランクを設けている(次ページ表A参照)。











