シャープが2009年10月1日に稼働した大阪・堺の最新液晶パネル工場「グリーンフロント堺」。

 2009年12月からは月産3万6000枚体制で稼働している。年末商戦においても、一部の液晶テレビに堺で生産したパネルが使用されている。来年10月にはフル生産体制となり、畳約5畳分に相当する2880×3130mmの第10世代のマザーガラスを月産7万2000枚生産する。フル稼働時には、40型ワイド液晶テレビ換算で、年間1560万台のパネルを供給できるという。

 日本国内の薄型テレビの市場規模は約1200万台。堺の新工場だけで、国内需要のすべてをまかなえる規模だ。

2009年10月1日に稼働した「グリーンフロント堺」(画像クリックで拡大)

 グリーンフロント堺の稼働は、液晶テレビのコストダウンにも寄与することになる。

 世界最大規模のマザーガラスを活用して、従来パネルと同様の歩留まり率で生産できれば、切り出せる枚数が多い分だけ効率化が図れるのだ。第8世代では46型で8枚だったものが、第10世代では60型で8枚、40型で18枚切り出せる。

 また、堺で生産される液晶パネルは「UV2A」と呼ばれる新技術を採用している。シャープが開発した独自の技術で、パネルに使用するリブやスリットが不要になることから、レジスト塗布、露光、現像といった工程がなくなる。これにより生産プロセスを大幅に簡略化できる。これだけでもコストダウン効果は大きい。

 さらに、液晶パネル生産および、来年3月に稼働する予定の太陽電池生産において連携する17社が同じ敷地内に入ることも大きい。部材の長距離輸送やトラックによる搬送などが不要になり、物流コストの点でも大幅なコスト削減が可能になる。加えて、それぞれの企業が本来個別に設置するインフラ施設を統合エネルギー管理センターで一元管理することで、CO2排出量の20%削減を達成している。一元管理によって、連携企業の設備投資費も削減できる。

 こうしたグリーンフロント堺ならではのコストダウン効果は、当然、液晶テレビの価格に反映されることになるだろう。

統合エネルギー管理センター(画像クリックで拡大)