2009年11月1日朝6時。千葉県南房総市の砂浜には数十人のヘルメット姿の作業員と2台のシャベルカー。ほとんどの人が見つめる沖合2キロの先には大きな船が停泊していた。

 KDDIやグーグルが出資する新たな日米間の海底ケーブル「Unity」の陸揚げ作業が行われるということで、朝4時に起床し、週末のETC1000円割引の恩恵を受けながら、千葉県南房総市千倉まで行ってきた。

 携帯電話とは直接的な関係はないが、今年1月に遠く山口県までKDDIの山口衛星通信所を取材にいった経緯もあり、衛星と共にKDDIのもうひとつの重要な通信事業である海底ケーブルにも興味を抱いてクルマを走らせたのだった。

 「Unity」はKDDIとグーグル、インド、マレーシア、香港、シンガポールの通信会社が共同で出資したプロジェクトだ。敷設の作業は、日本側はNEC、アメリカ側はタイコ・コミュニケーションズが担当している。完成すれば、最大4.8Tbpsの通信をまかなうことができるという。総建設費は約320億円。

 今回の陸揚げ作業は、沖合2kmに停泊している海底ケーブル敷設船「KDDI Pacific Link」から、KDDI千倉海底線中継センターまでケーブルを引き込むというもの。朝6時から、ロープに光ファイバーケーブルを接続し、敷設船から浜辺までロープを延々と引っ張っていくという作業が行われた。

沖合いに停泊していたKDDI Pacific Link。作業時には500m程度のところにまで近づいていた(画像クリックで拡大)

千葉県南房総市千倉にあるKDDI「千倉海底線中継所」。海底からのケーブルは地下のトンネルを経由し、この中継所に入る。ここからさらに国内や海外に接続される(画像クリックで拡大)