海賊版日本動画プレーヤー(?)の実力はいかに!?
「燦凌(Shining)」のRK188はどのようなものか。ハードカバーの単行本程度の大きさの本体には、側面にSDカードスロット、USBポート×2、LANポート、AV端子、イヤホン端子、それにマイク端子×2とボリュームコントロールつまみとエコーコントロールつまみがある。なるほど、2人分のマイクをつなげられるあたり「カラオケ仕様」ということか。
肝心のネットワーク関連機能だが、LANコネクターを使って有線接続できるほか、同社指定のUSB無線LANアダプターを接続することにより、ネットワークケーブルレスで利用することもできる。本体にはリモコンが付属しているため、リモコンを利用して動画をあれこれダウンロードできる。
AVケーブルと電源ケーブルを、USBポートの一つにUSB無線LANアダプターをそれぞれ挿し、電源を入れる。これだけだとどうにも動画をダウンロードできなさそうで四苦八苦していたが、SDカードなりUSBメモリーなりを挿入したら、迅雷の利用アイコンが出てきた。つまり外部メモリーにダウンロードした動画データを保存するのだ。
ストリーミング再生ではなく、あくまで動画ファイルのダウンロードなので、数100MBの巨大ファイルを中国の基本ADSL2Mの回線速度で何時間もかけてダウンロードした後、ようやく視聴可能となる。ただ、P2Pなのでファイルを指定したらダウンロード開始と必ずしもなるわけではない。しばらくしたらいつの間にかダウンロードが開始されていた、という感じで、とにかく時間に余裕がないと使えず、短気な人には向いていないかもしれない。
迅雷の機能ばかりにフォーカスしたが、メディアプレーヤーとしても利用できて、SDカードやUSBメモリー内、USB接続のHDD内の、画像や動画、テキストなどを表示できる。この製品が買える家庭なら大抵1台はデジカメを所有しているだろうから、(SDカードを利用するデジカメなら)撮ったその日に居間のテレビでリモコン操作で写真やビデオを見ることができる。全体的にメニュー自体は余計なコマンドなどなく、非常にシンプルで操作しやすかった。
辛口で評価すると、ちょっと不親切で詰めが甘いが、かなり使える製品である。以前当連載で、中国の最近の液晶テレビやプラズマテレビは、インターネットが見られて、ネット上の動画も再生できることがトレンドになっていることを紹介した。しかしこうした製品が出て、おまけに地デジにしても外付けチューナーが基本というお国柄だから、地デジチューナー内蔵でインターネットもできるという触れ込みの薄型大画面テレビは無理に買う必要はなく、あまり魅力を感じないのではないか、なんて余計な心配をするのであった。