これを読むだけで、さまざまな商品ジャンルのトレンドが一目りょう然!月刊情報誌「日経トレンディ」の人気連載「クローズアップ」を毎月、トレンディネットでも配信します。
※この記事は「日経トレンディ」8月号(7月4日発売)から転載したものです。情報は、基本的に7月4日時点のものとなります(記載の価格はすべて希望小売価格)。

 今も昔も日本の夏の悩みの種といえば蚊だが、蚊取り器の世界は、蚊取り線香の登場から100年余りの間に、大きく進化を遂げている。

 60年代にマットに含まれた薬剤を電気の熱で蒸散させるマット式が登場し、80年代には、ボトルに入った液体の薬剤を加熱するリキッド式が発売に。21世紀になってからは、コンセントを使わない電池式がデビューした。

 そして、昨年登場した最新型が、火もコンセントも電池も使わないワンプッシュ式だ。殺虫剤大手3社のうち、アース製薬が「チュッとおすだけノーマット」を、フマキラーが「おすだけベープ」を発売している。

 これらは1回プッシュするだけで必要量の薬剤が部屋中に広がり、効き目が12時間続くというもの。「薬剤の粒子を通常のものより細かくしたために蒸散性が高まり、空間に長時間漂わせることが可能になった」(アース製薬)。薬剤を噴射し続けずに済むライトなイメージや、1個で家中に使えることから人気を集めている。従来タイプのように煙や風が発生するわけではないので効いている実感は得にくいが、「リキッド式や電池式と同等の効果が得られる」とメーカーは口をそろえる。

各社の蚊取り器のCM。タレントを起用してユニークな展開をしているものが目立つ。(左)(中)大日本除虫菊(右)アース製薬

●進化を続ける蚊取りグッズ。最新型はワンプッシュ式

  仕組み 特色 コスト(1時間当たり)
 1902年~ 
線香式
線香が高温で燃えると、線香に含まれた殺虫成分が空気中に放出される × 火を使い、煙が出る
× 線香を毎日取り換える必要あり
情緒がある
3.3~5.5円程度(30巻入り)
 1963年~ 
マット式
マットを電気で温め、マットに含まれた殺虫成分を熱で蒸散させる × コンセントが必要
× マットを毎日取り換える必要あり
効き目が時間とともに弱まる
2.6円程度(30枚入り)
 1984年~ 
リキッド式
殺虫成分が溶け込んだ液体を電気で加熱し、熱で蒸散させる × コンセントが必要
長期間取り換え不要
1.5~2円程度(60日、720時間用)
 2000年~ 
電池式
電池で風を起こし、カートリッジに含まれた殺虫成分を風力や遠心力で飛ばす コンセント不要でどこにでも置ける
長期間取り換え不要
2.4~2.8円程度(60日、480時間用)
 2008年~ 
ワンプッシュ式
1度プッシュするだけで殺虫成分の細かい粒子が空気中に長く漂う。床や壁に付いた薬剤も再蒸散する コンセント、電池が不要
1本で複数の部屋に使える
長期間取り換え不要
1.8~1.9円程度(60日、720時間用)

注)コストは各社の主力商品の希望小売価格をもとに試算。取り換え用があるタイプは本体を含んだ初期コストを記載