2009年4月20日、イギリスの飲食専門誌『レストランマガジン』が、『世界のベスト・レストラン50』を発表。東京・南青山のフランス料理店「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」(『ミシュランガイド東京2009』では一つ星)が20位に選出され、「日本のレストランが初入選!」といったニュースがしきりに流されている。それはスゴイ! と喜び勇んで詳細をチェックしてみたら……、「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」の20位は間違いない。実にめでたい。がしかし、「日本のレストラン初入選!」の部分は誤報ではないか!

 イタリアのミネラルウォーター・メーカー「サンペレグリノ」が後援する『世界のベスト・レストラン50』は、2002年にスタートして今年で8年目を迎えた。世界各国のシェフやレストランオーナー、ジャーナリストや評論家など専門家806名が、過去18カ月以内に訪れたレストランに投票して順位を決めている。投票総数は4030票。ふと思い立って、過去のランキングリストをほじくりかえして全部チェックしてみた。

 すると、これまでに日本にあるレストランとしては、「すきやばし次郎」(寿司・銀座/ミシュラン三つ星)が2002年22位、2003年16位にランクインしていることを発見してしまった! そのほか、日本以外で「日本関連」としては、アメリカ・ニューヨークの「MASA(マサ)」や、オーストラリア・シドニーの「Tetsuya's(テツヤズ)」といった日本人シェフのレストランがランクインしている。ちなみに今回、50位以下ベスト100のなかには、第68位「龍吟」(和食・六本木/ミシュラン二つ星)、第75位「カンテサンス」(フレンチ・白金台/ミシュラン三つ星)の名前がある。また、所在地はインドだが、和の鉄人・森本正治シェフの「Wasabi(わさび)」の名前を見つけることもできる。

 ということで今回、「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワが初入選!」というニュースは、あきらかに事実誤認をしている。それともミシュラン三つ星に輝く「すきやばし次郎」はレストランではないとでも言うのだろうか。あるいは「“フランス料理では日本のレストラン初入選”」という注釈がどこかでうっかり抜け落ちて伝わっているのかもしれない。とはいえ、それはそれとして今回の「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」のランクインは快挙であり、喜ばしいことであるのはもちろんだ。関係者の皆さんには心よりお祝い申し上げます!

 参考までに、発表されたランキングを各国別で数えてみたところ、フランスとアメリカがそれぞれ8店、スペインとイタリアが6店、イギリス4店、ドイツ3店と続いている。2007年秋に登場した『ミシュランガイド東京』によって世界の専門家の注目が東京に集まっているため、今後、ベスト50にランクインしてくる日本のレストランが増えてくることは間違いない。また、今年秋に発刊される『ミシュランガイド京都・大阪』の影響も、数年後にあらわれてくると予想される。

「世界のベスト・レストラン50」国別選出店数
国 名 店 数
フランス
アメリカ
スペイン
イタリア
イギリス
ドイツ
スウェーデン
南アフリカ
オーストラリア
デンマーク
フィンランド
スイス
ベルギー
オランダ
ブラジル
日本
シンガポール
オーストリア

 ということで、ニュースで断片的に伝えられている「ベスト50」全店と、さらに「ベスト100」を、可能な限り「リンク付き」で紹介しながら、ランキングを眺めてみよう。