“文具王”の異名を持ち、文具メーカーでユニークな商品を生み出し続ける高畑正幸氏が、最新文具の奥深〜い世界をナビゲート。
ホチキスの開発は、以前にご紹介したサクリフラットが集大成だと思っていたら、これまでの進化は、全てこのためにあったのかと思うような、究極といっても過言ではないホチキスが登場した。その名は「Vaimo11(バイモ・イレブン)」。ネーミングは普通のホチキスの「倍も!」とじられるという安直なものだが、いきなり2倍である!このあいだは半分の力でとじたかと思えば、今度は2倍もとじるのだ。また何かだまされたような話だ。
普通のハンディタイプのホチキスのとじ能力はだいたい20枚前後。それに対して、Vaimo11はその2倍の40枚を片手でとじるハンディホチキスというのだ。そんなばかな!
使ってみるとたしかに40枚の紙を「パチン!」という勢いのある音とともにフラットクリンチ(裏側がフラットに仕上がるとじ方)でとじる。40枚と言うから、どの程度の抵抗感だろうと思いつつ実際に使ってみると、そのあまりのあっけない感触に、肩すかしを食らったような感覚で、一瞬、失敗したのかと思うほどだ。しかし、取り出した紙を見てみると、あたりまえのようにしかもビシッとフラットでとじられている。今までの20枚は何だったんだ!?
しかしやはり、今までギリギリまで精度を高めて作ったホチキスで20枚とじだった限界が、ちょっとやそっとの改良で突然40枚に上がるはずがない。そこには、最大手メーカーであるマックスが、大きなリスクを背負ってまで提案する新しい規格で作った針の存在があった。このステープラーは、針も従来品とは違うのだ。
それがVaimo11の「11」。40枚とじなのになぜ11なのかと思ったら、とじ枚数でななく、Vaimo11が使用する針が「11号(No.11)」だという意味。11号。それは片手40枚とじを実現するためにVaimo11専用に開発された新規格の針だ。











