フェスティバル/トーキョー09
国内ほか韓国やドイツ、フランス、イタリアから参加したアーティストのパフォーマンス13演目、および各大学の授業の一環として制作された4作品が、東京芸術劇場 中ホール 小ホール1・2、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、にしすがも創造舎特設劇場などで公演。野田地図『バイパー』、ポツドール『愛の渦』など5作品も参加した。
公式サイト:http://festival-tokyo.jp/
※公演09年2月26日〜3月29日で、終了。
5月、フランス北西部にある人口4万人の小さな町サン・ブリユー。
ここでは毎年、日が午後9時すぎまで暮れない、太陽いっぱいの初夏の季節にあわせ「アートロック・フェスティバル」と呼ばれる、その名のとおり、ロックとアート双方のイベントを招致するフェスティバルが数日にわたり開催される。筆者が出かけた年には、巨匠振付家フィリップ・ドゥクフレのダンス公演が行われる劇場のたった数百メートル先で、エレクトロポップシンガーYELLEが蛍光ファッションに身を包むティーネージャーたちを湧かせていた。今年は振付家・勅使河原三郎が日本から参加するという。この町、東京都に比べれば人口はたったの300分の1。日曜にもなれば、教会の鐘の音が長閑な町全体に響き渡る。そんなこぢんまりとした土地で「なんて贅沢な文化的生活が保障されているのか」。素直に羨ましくなってしまう。
フランス各地では、規模や種類の違いこそあれ、このようなアートフェスティバルが毎年初夏にかけ無数に行われる。どんな地方都市に住んでいようと、個人の意志さえあれば、芸術の恩恵には十分に授かることができるのだ。ちなみにこのような生活を可能にしたのは、50年代後半に初代文化相に就任した作家アンドレ・マルローと、その後釜を次いで戦後の文化政策を取り仕切った社会党の大臣ジャック・ラング。彼らが「芸術と文化の民主化」という目標を大々的にかかげたため、かつてはルイだのシャルルだのと名のつく一部特権階級のものでしかなかった芸術文化に、いまでは市民の誰もが触れられるようになったのだ。
実際、02年の文化省のデクレ(声明)にも明確にこう記されている。
「文化省は、人類が生み出した優れた作品に、最大多数の人々が触れられるようにすることに責任を負う」
いまだアート界を仕切るのがエリート知産階級である事実は否めないものの、それでも理想としては「最大多数の人々が触れられるように」。だからこそ、こうしたフェスティバル津々浦々で開催されるのみならず、たとえばかの有名なポンピドゥー・センターで一流舞台に臨もうと思ってもチケット価格は15ユーロ前後(1ユーロ=130円/約1950円)と破格だし、パリ市立劇場でウィリアム・フォーサイスやアラン・プラテルの公演に足を運んでも席代は最高値で26ユーロ(約3400円)と非常に良心的。同演目を日本で観ようとすると、いきなりチケット代が1万円に跳ね上がることを考えると、確かに、フランスのほうが気楽に芸術文化に触れることができるといえる。











