テレビで映画「ハプニング」のDVD発売宣伝を頻繁にやっていたので、誘惑に負け(一般に普通盤よりも特典映像が豊富だとネットで噂(うわさ)の)ブルーレイ・ディスク(BD)を購入した。早速再生したが、最初の日本語注意文とF社のタイトルが出た後ウンともスンともいわない。

 「ダークナイト」のBDをかけてみると、こっちは映る。「ははーん、これはBD対応の録画再生機のほうが正常で、盤の初期不良だナ」と考えた。  アマゾンは返品交換を郵送で受け付けてくれるので、盤を着払い宅配便にして駅前のコンビニから返送する(結構面倒だ)。

 で、翌々日、BD到着。しかしまたまた「ハプニング」は映らない。同じ症状だ。だが3連休なのでBD発売元F社はお休み。ただし、よく見ると、最新のBDバージョンでご覧ください、という趣旨のただし書きがある。だが購入したての録画再生機は2008年10月10日発売。盤は2009年1月9日発売だ。

 カチンときてアマゾンに再度の返品。返金扱いにして、BDでない普通盤を購入した。連休明け、録画再生機のS社へ電話。するとソフトウエアを最新バージョンにアップデートしてくれという。そのためのCDを送るという。1週間かかるらしい。ええーっBD録画再生機って、まだ完成途上なのか???

 これでは新作のBDほど、危なくて購入できない。皆どうやってるのか? 教えてくれー。


(文/エンターテインメント評論家 麻生 香太郎)

【初出】日本経済新聞、2009年1月24日夕刊
※「テレビの壺」は麻生香太郎氏が日本経済新聞、土曜日の夕刊に連載中のコラムです。日本経済新聞に掲載後、麻生氏および日本経済新聞社に許可を得て転載しております。

著者

麻生香太郎(あそう こうたろう)

大阪市生まれ。東京大学文学部卒。在学中に歌謡曲の作詞家として活動を開始。森進一、野口五郎、小柳ルミ子、小林幸子、TM NETWORKらに作品を提供した。その後、80年代半ばにエンタテインメントジャーナリストへと転身。以来、20年以上にわたって業界をウォッチし続ける。現在は「日経エンタテインメント!」「テレビ・ステーション」などで連載コラムを執筆中。著書に『ジャパニーズ・エンタテインメント・リポート』(ダイヤモンド社)など。