本社広報室も知らなかった仕掛け人

 セブン-イレブン・ジャパン本社広報室に尋ねてみた。

 すると、「たしかに1989年に、広島の一部の店舗が販売したということは記録されているが、どういういきさつで誰が言い出したのかは、今となってはわからない」という回答だった。

 だったら独自に調べましょう!

 今からちょうど20年前の1989年に、広島のセブン-イレブン加盟店のうち、恵方巻を売った店を探しだしてオーナーに聞けばわかるはず。さあ、片っ端から電話をかけまくるぞ! 番号検索をして、あたりをつけてかけてみることに。

 わぐり「1989年に広島で恵方巻を売り出した店を探してるんですけど?」
 店A「その話は聞いたことがあるけど、うちが加盟したのは10年前だから、20年前のことはちょっと。わからないなぁ」
 「20年前に、広島にコンビニがあったとすると、一番の繁華街だったと思うんですけど、古いお店を知りませんか?」
 店B「ああ、それなら、中区舟入(なかく・ふないり)の松本さんのところかな」

広島舟入地区のコンビニ店舗分布図、青印がセブン-イレブン舟入店

 そこで広島市中区舟入店に連絡をとった。すると・・・

 

 松本さん(舟入店オーナー)「恵方巻、売りましたよ。1989年で間違いありません」
 「松本さんが、恵方巻を売ろうと言い出したんですか?」
 「野田さんですよ」
 「野田さんって、どちらの野田さんですか?」
 「今は本社の役員をやってる野田さんっていう人が、当時、広島にいてね。彼が仕掛けたんですよ」

 ここで「野田さん」の名前が登場した。

 セブン-イレブン・ジャパン本社の会社概要をチェックしてみる。すると確かに役員一覧の中に「野田さん」の名前を見つけることができる。

(セブン-イレブン・ジャパンHP会社概要・役員一覧 平成20年5月15日現在)

 「広島に恵方巻の風習があったんですか?」
 「なかったですよ」
 「そこでいきなり恵方巻を売ろうったって、売れるもんじゃないですよね?」
 「あのですね。商品は、売れるものではなく、売るものなんです。お客さんにこんな物があるんですけどよかったらいかがですか、と声を掛けて売りました。商売とはそういうものです」

 なるほど勉強になる。

 で、問題は「野田さん」だ。

 改めて、セブン-イレブン・ジャパン本社広報室に問い合わせた。

 

 わぐり「野田さんらしいですよ。1989年に恵方巻を仕掛けたのは」
 広報「野田といいますと?」
 「執行役員の野田さんです」
 広報「(驚)どこからお聞きになりました?」
 「広島のオーナーさんが言ってましたよ。当時のお話しを聞かせていただけますか!?」
 広報「(驚)確認します」