2009年のケータイ業界は昨年同様に厳しい環境が続きそうだ。
国内の契約者数が1億件を突破。販売奨励金の見直しによって販売台数が落ち、さらにワンセグやFeliCaに続く目新しい機能やサービスがない中で、次の起爆材が見あたらない状況だ。
端末メーカーが狙う「PDC巻き取り市場」
そんな中、端末メーカーが注視している数少ない市場と言えば「PDCの巻き取り」に他ならない。
NTTドコモとソフトバンクモバイルはW-CDMAサービスを提供して7年近くが経過しているが、一方で2Gと呼ばれるPDC方式の携帯電話のユーザーもまだかなりの数が残っている。
NTTドコモの場合、全ユーザーが5403万件いる中で、PDCユーザーは697万件と実に13%の割合となっている。ソフトバンクモバイルに関しても、1986万件の全ユーザーに対して15%の295万件がPDCユーザーだ。
キャリアにとって複数の通信方式を続けるのは経営面からもかなり効率が悪い。そのため、一刻も早くW-CDMA/HSDPAに集約したいと考えている。2010年以降にはLTEの開始も視野に入っているのでさらなる設備投資も必要になってくる。
両社ともすでにPDCの新規契約は打ち切っている状態だ。ソフトバンクモバイルは2010年3月31日をもってPDCのサービス自体を終了し、停波させると発表済み。NTTドコモの停波の時期もいずれ明らかになるだろう。
ここで注目されるのが、PDCからW-CDMAへの乗り換え需要だ。キャリアの都合によってPDCを停波するのだから、既存のPDCを使っているユーザーに対して、FOMAへの機種変更の優遇策がとられることだろう。
昨年の端末の販売台数は4000万台を切る程度しかなかったが、PDCから3Gへの乗り換え需要は両社を合わせて約1000万台と予想される。まさにケータイ業界の「埋蔵金」ともいえる市場だろう。
メーカーとしてもこの特需の逃す手はない。ここでいかに新規ユーザーを確保するかに躍起になっている状況だ。
端末メーカーが分析するに、現在もPDCを使い続けているユーザーは、携帯電話の新しい機能には一切興味がなく「とりあえず話せてメールが使えればいい」という程度でしかない。機能よりもPDCのころの本体サイズやバッテリー寿命のほうが気になっている層だ。NTTドコモの2008年夏モデルとして登場した706ieシリーズは、まさにこういったユーザーをねらったラインナップでもあった。
各メーカーとも2009〜10年にかけてはPDCユーザーをなびかせるような「とにかく簡単で、小さくて、バッテリー寿命が長い」というケータイが登場させていくことだろう。











