「モバ研ショック」が引き金に
2008年のケータイ業界は、ここ最近の世間の深刻な不況を先取りしたような年だった。世界が「リーマンショック」を発端にして不況に陥ったとするならば、さしずめケータイ業界は「モバ研ショック」が引き金となって大不況となってしまったと言えるだろう。
2007年に総務省を中心にして議論した「モバイルビジネス研究会」による「モバイルビジネス活性化プラン」によって、ケータイ各社は販売奨励金の見直しを行い、割賦販売制度に軸足を移した。
それにより、一般メディアを中心に「ケータイが高くなった」と報道。店頭では新製品が5万円以上の値付けになって、ユーザーの機種変更需要が落ち込んだのだった。
年間で4500万台近くあった販売台数は「今年は4000万台を切る」(国内メーカー関係者)といい、3800万台程度になると予想されている。さらに10月などは新製品の発売前とあってさらに販売数が減少。「半減している」(販売店関係者)という深刻な状況だ。冬商戦でどれだけ盛り返せるかに期待がかかるが、昨今の深刻な不況により好転するのは難しい状況といえる。
相次ぐ撤退メーカーとアップル「iPhone 3G」の日本上陸
ケータイが売れない中、撤退するメーカーも相次いだ。
au向けが中心だった三洋電機は京セラに携帯電話事業を売却。NTTドコモに端末を供給していた三菱電機に至っては事業そのものから撤退するという英断を下した。
さらに驚きだったのがノキアの日本からの撤退だ。冬商戦モデルである「N82」、「E71」をすでに発表していたにも関わらず、あっさりと撤退してしまった(N82はなんとか発売)。E71に関しては、日本向けの開発を終え、すでに端末の試験すら終了していたと言われており、あとは発売するだけのタイミングだった。それだけにノキアの方向転換はわれわれの予想を遙かに超えたものだった。
一方、明るい話題といえば、アップル「iPhone 3G」の日本上陸だろう。先進的なタッチパネルによるユーザーインターフェースは使っていて「心地よい」と感じさせる。これまでのケータイにはなかった操作性だ。
発売当時にソフトバンク・モバイルとアップル、メディアが持ち上げすぎたため、「ブーム」となってしまい、販売台数は当初の期待値よりも低いようだが、それでも日本市場に与えたインパクトは大きいだろう。
ただ、ここでも驚きだったのがiPhoneの絵文字への対応だ。絵文字は日本独自の仕様であるにも関わらず、世界共通のソフトウエアであるバージョン2.2に組み込んできたのには、アップルの日本市場に対する強い意気込みを感じずにはいられない。











