"ちょんまげブーム"の仕掛け人でテレビコラムニストとして著名なペリー荻野と、ファッションの達人で「フントニモー」が決めゼリフのいであつしが、連ドラの衣装に物申す! 第13回は『だんだん』から…。

ペリー  そんなわけで、今回は朝ドラマ『だんだん』です。
いで  今回の朝ドラの一番の見どころは、80年代のトレンディードラマ俳優、吉田栄作(1)でしょう。昔と変わらぬサラサラヘアスタイルにNY仕込みというあまり語らぬ渋い演技力。でもシジミ漁をしててもやっぱりにおってきゃうんだよなぁ〜、80年代のトレンディードラマ臭が。元ボクサーだってさ。そういう設定自体がにおうぞ。
ペリー  ボクサー時代の回想シーンがハイライトでしたね。まんま80年代にタイムスリップ。
いで  見事にトレーナーをジーンズにインしてたからねぇ。しかもジーンズはピチピチ。
白いTシャツをケミカルウォッシュのピチピチのシーンズにインしてジージャンってのが80年代の吉田栄作だから。
ペリー  80年代ムードのダメ押しのようにドラマの中ではしょっちゅう『赤いスイートピー』(2)が流れるでしょ。いつか『心の旅』(3)も飛び出すんじゃないかと心配で。
いで  出るね、そのうち。タイトルは絶対『心の旅2009』だな。本人は「僕でよければ」と熱く申し出ているに違いないぞ。
ペリー  今回は、別れ別れになっていた双子の再会が物語のキーでしょ。三倉茉奈・佳奈姉妹が舞妓と女学生。どっちが舞妓になるかでもめたりしなかったんでしょうか。
いで  どっちでもいいじゃん。しかし双子タレントっていうと、やっぱりマナカナしか芸能界には需要がないのでしょうか。2度目の朝ドラ主演なんでしょ。
ペリー  以前の『ふたりっ子』(4)の時は、子役でしたからね。調べてみれば、結構双子タレントっていると思いますよ。
いで  ザ・ピ−ナッツ(5)に、リンリンランラン(6)、ポップコーンに、ざ・たっち、おすぎとピーコ、由紀さおり・安田祥子姉妹。他にも双子っていっぱいいるんだけどなぁ。
ペリー  由紀さおり・安田祥子姉妹は双子じゃないですから。
いで  知ってて言った。
ペリー  昔はドラマで双子が会話するシーンは、いかにも合成って感じでしたよね。私が一番好きだったのは、『桃太郎侍』(7)でお殿様と浪人、ふたりの高橋英樹がしみじみ語り合ってました。
いで  また合成シーンが安っぽいんだよな、昔のテレビドラマの双子は。最近だと『古畑任三郎』で松嶋菜々子がそれやってたけどね。双子ドラマは思いきって全然似てない双子のほうがいいかも。2時間ドラマの『ツインズな探偵』(8)の浅野ゆう子と久本雅美!
ペリー  ふふふ。『ツインズ教師』(9)の高嶋政宏と石黒賢を忘れちゃいけませんよ。
いで  あー、似てない。似てないけど絶妙な双子だ。
ペリー  もっとも、マナカナも『双子探偵』(10)というドラマをやってます。
いで  探偵やってたか!
ペリー  もともと顔が似てるふたりが双子役をやるってのはどうですか?
いで  例えば?
ペリー  矢崎滋とチャゲのツインズ探偵。
いで  どんな捜査するんだよ、この双子は。

今月のファッション・チェックは
『だんだん』

2008年度下半期のNHK連続テレビドラマ小説。生まれてすぐに生き別れになった双子の姉妹・めぐみとのぞみが、島根の出雲大社で運命的な再会を果たし、歌手を目指す。(月〜土曜8時15分/NHK総合・NHKデジタル総合)
http://www9.nhk.or.jp/asadora/

(1)吉田栄作…1969年生まれ。展開が異常に速く“ジェットコースタードラマ”と言われた連ドラ『もう誰も愛さない』(91年)で人気を博す。公式HPはhttp://blog.watanabepro.co.jp/yoshidaeisaku/index.html

(2)『赤いスイートピー』…松田聖子の8枚目のシングル。1982年リリース。『だんだん』ではヒロイン2人の子守唄だったという設定で。

(3)『心の旅』…チューリップの楽曲。1973年発売。チューリップはこれでメジャーバンドになった。

(4)『ふたりっ子』…マナカナが主演を務めた1996年度下半期のNHK連続テレビ小説。平均視聴率29.0%と、当時の朝ドラでは久々のヒットとなった。

(5)ザ・ピーナッツ…伊藤エミ・ユミからなる、元女性歌手のデュオ。1960〜70年代に一世風靡。『ザ・ヒットパレード』『シャボン玉ホリデー』などに出演、海外でも活躍した。

(6)リンリンランラン…香港出身の双子デュオ。1970年代半ばに活躍。代表作は『恋のインディアン人形』(74年)など。

(7)『桃太郎侍』…1946年に出版された山手樹一郎の時代小説。何度も映像化されており、高橋秀樹版のドラマは1976〜81年、日本テレビ系での放送。

(8)『ツインズな探偵』…浅野ゆうこ(双子の姉)、久本雅美(妹)の単発ドラマ。1999年、2000年、2003年に放送された。

(9)『ツインズ教師』…1999年4月期の連ドラ。幼い頃に別れた双子が、同じ中学で同じクラスの担任(石黒賢)・副担任(高嶋政宏)になってしまう。

(10)『双子探偵』…1999年にNHK教育テレビのドラマ「愛の詩シリーズ」で放送された。http://www3.nhk.or.jp/drama/drames/ainouta/75/page_004.html

ペリー荻野さんの新刊情報!

『紋二郎も鬼平も犬神家もこうしてできた』

『木枯し紋次郎』や『鬼平犯科帳』といった傑作時代劇、勝新太郎の代表作『座頭市』、市川昆の元祖『犬神家の一族』、夏目雅子主演の『鬼龍院花子の生涯』など、歴代のそうそうたる名作に携わった世界的な美術監督、西岡善信。これら傑作ドラマはどのようにして作られたのか、臨場感あふれる撮影現場の舞台裏に迫ります! 『木枯し紋次郎』の俳優・中村敦夫氏との対談も収録。

著 者

ペリー荻野(ぺりー おぎの)

西条 昇

1962年愛知県生まれ。コラムニスト&時代劇評論家。大学在学中にラジオのパーソナリティ兼原稿書きでデビュー。現在の連載は『読売新聞(日曜版)』『中日新聞』『週刊ポスト』『ESSE』『e2 by スカパー!』ほか多数。CD『ちょんまーじゅ』の監修を勤めるなど、時代劇ブームの仕掛け人としても有名。

著 者

いであつし

西条 昇

1961年静岡県生まれ。コピーライター、『ポパイ』編集部を経て、『テレビブロス』などでコラムニストに。ファッション、テレビ、グルメなどを中心に執筆を続ける。最近感動した食べ物は、皇室の引き出物にもなるという京都の老舗緑寿庵清水の「金平糖」。現在、『ビギン』『メンズEX』等で連載中。