「シネマ最前線」は日経エンタテインメント!誌がお届けする映画界のトレンド&マーケティング情報です。今週の映画興行成績と、週末公開される話題作について、隔週金曜日に掲載します。

 日米で今年公開された映画の興行収入(興収)トップ10と映画会社の興収シェア、テレビ局が制作・出資した実写映画の興収トップ10と局別の総興収の調査がまとまり、下のような結果になった。

東宝配給が6本~日本の興行収入トップ10
順位 タイトル 興収(円) 配給
1 崖の上のポニョ 160億   東宝
2 花より男子ファイナル 78億   東宝
3 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 57億   パラマウント
4 容疑者Xの献身 50億 (見込み) 東宝
5 劇場版ポケットモンスターダイヤモンド・パール/
ギラティナと氷空の花束シェイミ
47億   東宝
6 レッドクリフPartI 45億 (見込み) 東宝東和、エイベックス
7 相棒-劇場版- 44億   東映
8 アイ・アム・レジェンド 42億   ワーナー・ブラザース
9 20世紀少年 40億   東宝
9 ザ・マジックアワー 40億   東宝

日経エンタテインメント!調べ。07年12月から08年11月に公開された作品が対象。アニメは除く。興収シェアは1~11月の推計値

東宝の興収シェアは4割。2位の4倍以上

崖の上のポニョ

(C)2008 二馬力・GNDHDDT(画像クリックで拡大)

 東宝が首位になるのは6年連続で、興収シェアは40%を超えた。2位松竹の4倍以上で、日本映画に限れば7割を占める。東宝は今年1から9月の9カ月間で、年間興収新記録となる600億円を突破。その後も興収を伸ばしている。

 東宝が強い理由は、テレビ局が強力な企画をまず東宝に持ち込むから。ではなぜテレビ局が東宝を優先するかといえば、他社より配給・宣伝力が強く、ヒットする可能性が高いからだ。

 配給力の核となるのは自社の興行網。シネコンのTOHOシネマズは全国61カ所で、東京都心部などの直営既存館と合わせると日本一だ。自社の興行網を中心に、作品の規模に合わせて上映館数を確保する配給力は他社を圧倒している。

 宣伝力の核となるのは宣伝部員。松竹は宣伝プロデューサー12人、パブリシティー担当者12人に対し、東宝の宣伝プロデューサーは14人、パブリシティー担当者は24人。パブ担当者が松竹の2倍いるため、媒体に応じたきめ細かな情報伝達ができる。

 また年に3回、全国5カ所で宣伝キャラバンを実施。各地の興行関係者を集めて、公開間近の作品の宣伝プランを宣伝プロデューサーが直接説明する。

 「配給・宣伝力の強い東宝を優先するテレビ局」から生まれる「東宝独り勝ち」の構図は今後も続きそうだ。