09年3月の発売に向けて、順調に開発が進む『バイオハザード5』(以下、バイオ5)。前回に引き続き、今回はゲームプレーの鍵を握る要素であるAI制作の秘話と、クリーチャーたち、そして注目のストーリーについて、竹内、川田両プロデューサーに話しを聞いた。
予想外に順調だったAI制作
――シェバを操作するAIの完成度がシングルプレーの鍵になるとのことでしたが、その制作も試行錯誤の連続だったのでしょうか?
竹内潤プロデューサー(以下、竹内氏):それが僕たちの不安とは裏腹に、開発はとてもスムーズに進みました。非常に早い段階で満足の行くレベルに達しましたよ。
川田将央プロデューサー(以下、川田氏):逆にAIが賢すぎるがゆえの調整をしたくらいです。何しろプレーヤーが木箱などに銃口を向けると、アイテムが出現することをAIのシェバが察知して、真横で待機していたりするほどで。プレーヤーとAIが弾薬を巡って奪い合うという、おかしな状況が生まれたんです。そういったAIの賢さゆえに起こる事態を解消するためならば、試行錯誤があったといえるかもしれません(笑)。
■プロフィール
(右)竹内潤(たけうち・じゅん)
『バイオハザード』1作目からシリーズの開発に携わり、『バイオハザード5』では制作を統括する重要なポジションを務める。プレイステーション3やXbox 360で発売された『ロストプラネット』にも参加
(左)川田将央(かわた・まさちか)
竹内氏とともに『バイオハザード5』の現場を指揮する、もう1人のプロデューサー。『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』『バイオハザード4 Wiiエディション』などを手がけ、シリーズとの関わりは深い
――シングルプレー、協力プレーを問わずパートナーの存在が重要になってくる。そうなるとゲームバランスの調整も従来以上に難しいのでは。
竹内氏:そうなんですよ。『バイオハザード4』(以下、バイオ4)のころから自動的に難易度を調整する機構を盛り込んではいるのですが、その振り幅だけでバランス調整を吸収できるのかといった問題も出てきます。
協力プレーならば人間同士での試行錯誤で乗り越えられるような場面でも、シングルプレーとなるとそうはいかなくなる。AIの完成度を高めておかないと、自動調整機能をもってしてもゲームバランスが破綻してしまう可能性が大きくなってきますからね。
川田氏:AIを導入すると決定した時に、僕たちが抱いた不安の原因はそこにあったんです。ですがAI担当のスタッフがとても頑張ってくれまして。現在はAIやゲームバランスの調整も含めて、すでに細かな部分でのブラッシュアップの段階に入っていますから、発売の際には素晴らしいものをお手元に届けられると思いますよ。
――それは楽しみですね。『バイオハザード』シリーズといえば、これまでは2人の主人公それぞれの視点で物語を描く手法を用いてきましたが、今回はどうなるのでしょうか?
竹内氏:今回は、以前のように2人の主人公を交互にプレーするのではなく、あえて主人公のクリス・レッドフィールドに焦点を絞っています。どうしても物語を2人の視点で描くと、テーマが伝わりづらくなってしまうためです。
川田氏:制作にあたって定めた目標には、ドラマ性を従来以上に充実させることも含まれていました。ですから今回はパートナーであるシェバのドラマは控えめにしてあります。
竹内氏:もともと『バイオハザード』の物語は、1作目のクリスから始まっていると言ってもいい。『バイオ5』ではそんな彼を久々にドラマの中心に立たせ、これまでの物語にひとつの区切りと、新たな展開がもたらされることになりますよ。
| PS3、Xbox360『バイオハザード5』 | ||
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