世界的な金融危機を経て、原油価格も暴落。これまで上昇の一途をたどり、海外旅行の客足を鈍らせた最大の要因であった燃油サーチャージも、2009年1月から多くの航空会社で引き下げられる見通しとなった。全日本空輸(ANA)でも1月から、欧米線の燃油サーチャージを10〜12月の3万3000円から、2万2000円に引き下げると発表。サーチャージの値下げは実に、07年5月以来だ。

 だが、これで海外旅行者の負担が大幅に減ったと見るのは、やや性急すぎるかもしれない。実は国際線利用者に、燃油サーチャージのほかに新たな負担が発生していたのである。国際線航空券を購入する際に旅行代理店に支払う「販売手数料」だ。

 旅行会社のエイチ・アイ・エスは、すでに6月から利用者から販売手数料の徴収を開始(正規航空券で2000円、格安航空券で460円)。楽天トラベルでも、1000〜3000円程度の手数料を徴収している。JTBは10月から、航空券の予約代行などのサービスに対し、旅行総費用の20%以内、2100円を下限とする手数料を徴収するようになった。

 旅行代理店各社が、なぜこぞって利用者から手数料を徴収し始めたのか。背景にあるのは、航空会社から日本の旅行会社へ支払う販売手数料(コミッション)の廃止だ。これまで航空会社は、正規運賃と正規割引運賃の国際線航空券について、航空券代金の数%を旅行代理店に支払ってきた。しかし、旅客数の低迷や格安航空会社の台頭などにより、航空会社の収益は悪化。コスト削減策の一環として、航空会社の営業費用のうち6〜10%を占める販売手数料にもメスを入れざるをえなくなった。