スイーツ専門店のシェフのことをパティシエと呼ぶことが日本でもすっかり定着した。パティシエとは菓子職人を指すフランス語の男性形の名詞。日本では「ケーキ屋さん」というと幼稚園ぐらいの女の子がなりたい職業によくあげるが、フランスでは圧倒的に男性が占める職業だ。実際取材をしてみると分かるのだが、きらびやかにショーケースに並ぶ宝石のような姿が出来上がるまでの過程は、非常に重労働だ。開店時に賞味期限が当日以内の商品を並べるためには、早朝から仕込みをしなくてはならない。閉店時間まではもちろん、閉店後も翌日の準備がある。人気店となればなおさらだ。また、その人気を維持するためには、新商品の開発など新たな試みをしなければ顧客が離れてしまう。そのためパティシエは常にレシピの作成に追われている。

 そんなハードルを乗り越え、オープンから4年を経た今も人気を博すのが、パティシエ鎧塚俊彦氏の店「トシ・ヨロイヅカ」だ。

 2008年9月17日、トシ・ヨロイヅカ恵比寿店がリニューアルオープンした。ベルギーの3つ星レストラン「ブリュノウ」でシェフ・パティシエとして活躍した鎧塚俊彦氏が、2004年9月、帰国後に持った念願の店舗だ。行列の絶えない繁盛ぶりに加え、その後、東京ミッドタウンへも出店するなど鎧塚氏が多忙になったため、やむをえず予約販売のみで営業していた。それから約1年半、再オープンを迎えた恵比寿店に取材に行った。

恵比寿店はJRと東京メトロの恵比寿駅から徒歩約10分、車の往来が少ない住宅街にある。オープン前の行列は日常の光景(画像クリックで拡大)