谷さんの宣言通り、いつのまにか雨もやんで、条件が良くなっている。ISO感度を640から200に設定を下げて、撮影を続行する。細かい心配は一切いらない。フイルムごとに感度設定をメモする必要がない。現像所によって切り現と番記を指示することもない。レンズと合わせてもカメラの重量は、わずか1325gしかない。1Ds MarkIIIのボディー単体と大して変わらない。童心に返ってもらえるような雰囲気作りを心掛け、遊ぶようにシャッターを押し続ける。CFカードの容量は16GBあるので、途中交換の必要がない。何にも邪魔されない。こんなに自由に撮影できたのは久しぶりだ。はしゃぎ過ぎて、少し声がかれている。オジサン丸出しである。

 15時45分、撮影終了。谷さんは仕事中と変わらない笑顔で、現場を去って行った。また、雨が降り出した。

18-200mmレンズの背景のボケ味はいまひとつ。APS-Cサイズのデジタル一眼レフであることを考えると、許容範囲内と言える(画像クリックで拡大)

内蔵ストロボを使ってシンクロ撮影。手軽な補助光があるというのは、プロの道具として有効だ(画像クリックで拡大)

 EOS 50Dと何本かの交換レンズを買うお金があれば、明日からプロカメラマンを宣言することが可能だ。ただし、仕事の現場で生き残れるかどうかは別の話。職人芸に頼れないとすると、よりセンスを求められるだろう。撮影が楽になった分だけ、生存競争は厳しくなっているのだ。

(文/寺尾 豊=BPtv開発