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 今回メタル斬りするのは、「BONNIE PINK」「新垣結衣」「キマグレン」の3組。それぞれ北欧、アメリカンロック、カリビアンのテイストを持ちながら、ちゃんとJ-POPとして成立しているのが魅力とマーティは言います。

 また、現在発売中の「日経エンタテインメント!」11月号(表紙・福山雅治)では「中川翔子」「BREAKERZ」「GIRL NEXT DOOR」を分析しています。こちらもどうぞ。

 BONNIE PINKは、以前からよく北欧ポップのミュージシャンと曲作りをしたり、ライブで共演したりしてるよね。実は僕も北欧系のポップは大好きです。90年代に流行ったカーディガンズとかロクセットも好きだったし、もっと昔だと、アバのヒット曲なんて、どれも音楽の教科書でテキストに使いたいくらいの完璧なポップソングだったじゃん。

 実はブリトニー・スピアーズだって、僕がベストだと思う曲はみんな北欧のプロデューサーが作ったもの。アメリカ人のプロデューサーはボーカルの力強さを強調しがちなんだけど、北欧の人はメロディーのよさや演奏のクオリティーもちゃんと大切に扱ってくれるんだよ。きれいなメロディーが好きで、カラオケで歌うことが大好きな日本人の音楽観ともすごく近い気がします。

 BONNIE PINKの『鐘を鳴らして』も、バックには北欧のミュージシャンが起用されてます。ノリ的には60年代後半~70年代前半のクラシックロックの魂が感じられる曲なんだけど、注目してほしいのは楽器の音色だね。こういう昔のロックっぽい曲って、楽器の音色まで昔のまま再現しようとすると、古臭いサウンドになりがちなんだよ。でも、この曲は楽器の音色を“ちょっとだけ”ローファイなサウンドにすることで、レトロっぽい雰囲気を出しつつメインの聴かせどころはあくまで歌メロっていうアレンジになってる。だから、今のリスナーの耳にも違和感ないサウンドに仕上がってます。最近のJ-POPだと、Superflyも同じような音作りで成功してるよね。

BONNIE PINK
『鐘を鳴らして』
ゲームソフト『テイルズ オブ ヴェスペリア』テーマ曲。「北欧はメタルも盛んだから、僕も何度かライブに行きました。ファンが細かいところまで聴くのも日本と似ているかも。寒い国だからみんな家で音楽を楽しんでいるのかな(笑)」。

 全体的には洋楽っぽいノリの曲だけど、ここにもやっぱり、J-POPならではのお約束が入ってました。具体的に言うと、Dメロの後のオチサビで使われているコード進行です。これって歴代のJ-POPソングに百万回くらい使われてる“超定番”のコード進行なんだよね。北欧ポップのさわやかサウンドをベースにしながら、ツボの部分ではちゃんとJ-POPの基本も抑えて安心させてくれるところに、BONNIE PINKの人気の秘密を見た気がしました。