パソコンを使う仕事には付きものと言える「目の疲れ」。とくにパソコンと長時間向き合う仕事をしていると、非常に気になる問題である。読者の中にも作業時間が長くなると、目がかすんだり、画面上の文字が見えづらくなると感じている人がいるだろう。ほぼ毎日、1日12時間近くパソコンに向かう筆者も、とても困っている問題の1つである。

 目の疲れを軽減するには、作業時間を減らすのが一番いいのだろうが、「目が疲れているから今日はもう仕事をしません」などと言うわけもいかない。さて、どうしたものかを悩んでいところ、ちょうどいいワークショップを見つけた。液晶ディスプレーメーカー大手の「ナナオ」が実施している「今すぐできる目の疲れ対策講座」である。思いだったが吉日で、すぐさま参加申請。10月9日、東京・銀座にあるナナオのショールーム「EIZOガレリア銀座」で催された疲れ目対策講座を受講してきた。今回は、この講座で学んだ疲れ目対策テクニックを基に、自身の作業環境を見直してみたい。

疲れ目は「パソコンの利用環境」が原因だ

 「VDT症候群」という言葉を聞いたことがあるだろうか。液晶ディスプレーなど、表示機器(VDT)を使用した作業を長時間にわたって行った時に生ずる、目や心身の疲労およびストレス症状のことをいう。まさに現代病の1つと言っていいだろう。VDT症候群という言葉を知らなくても、パソコンの作業でストレスを感じている人はかなり多いはずだ。

 VDT症候群が増えている背景には、多くのオフィスや家庭にパソコンが導入され、パソコンの利用時間が増えていることが挙げられる。また、ビジネス文書を作成する以外の目的、例えばテレビを見たり、映画を見たり、デジカメ写真を表示したりといった用途に向けて液晶ディスプレーの高輝度化が進んでいることも挙げられる。見た目に美しい液晶ディスプレーも、長時間の作業する人に大きな負荷をかける要因の1つなのだ。

 厚生労働省では2002年にVDT症候群に関するガイドラインを発表している。今回、疲れ目対策講座を開催したナナオでは、このガイドラインを基に、パソコン作業環境と疲れ目の関係を調査。その結果、分かったのが利用環境による目への負担度の変化だったという。どの程度違うのかは、下記のグラフを見ると一目瞭然だろう。最高輝度で作業した場合と、輝度を下げて作業した場合とでは、目のピント調整力に約2倍の差が出ている。

 このテストでは、被験者に正しい利用環境と間違った利用環境で、それぞれ6時間にわたってデータ入力作業をしてもらい、テスト前後のピント調整力を比較している。一般的な視力検査ではないため、見え方に大きな違いがあるとまでは言えないそうだが、間違った利用環境で作業していると、近くの文字と遠くの文字を交互に見たときに見えづらく感じたり、目がかすんだりするらしい。

 疲れ目対策として「目薬」を常用している方もいるだろうが、根本的な疲れ目の解決にはほど遠い。かといって、パソコンを使えば目が疲れるものだと、諦めることもない。パソコンの利用環境をほんの少し見直すだけで目への負担は軽減でき、作業効率もグッと上がるのだ。

利用環境による目の疲れ度を示したテスト結果。液晶の輝度を下げるだけで、目の負荷が半減。作業の合間に休憩を入れると、さらに目の負担が下がった
(出典:ナナオ「疲れ目対策 提案資料より」)(画像クリックで拡大)

液晶の輝度を下げることは目の負担だけでなく、心身の疲労やストレスも軽減するという
(出典:ナナオ「疲れ目対策 提案資料より」)(画像クリックで拡大)

疲労感やストレスを感じさせない作業環境は、結果的に作業効率もアップさせる
(出典:ナナオ「疲れ目対策 提案資料より」)(画像クリックで拡大)