写真家・塙 真一氏による新コラムの第2回。前回の「パナソニック『LUMIX G1』は次世代デジタル一眼の新たなスタンダードを狙う?【前編】」に引き続き、発売が迫ったパナソニックのデジタル一眼「LUMIX G1」について率直な思いを語ってもらった。
レンズは非ライカブランドを採用。今後、プレミアム仕様が登場する!?
G1と一緒にリリースされるレンズは、標準ズームレンズ「LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」と望遠ズームレンズ「LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S.」の2本だ。今後、7-14mmの超広角ズームレンズや、20mm F1.7というパンケーキレンズなども発売する予定だが、今のところは2本だけになる。45-200mmの望遠ズームはそれなりのボリューム感があるが、これで400mm相当までの撮影ができることを考えれば、十分小さいといえるだろう。一方、14-45mmはボディーにマッチするコンパクトなサイズに仕上がっている。
これら2本のズームレンズだが、実は「ライカ(LEICA)」のブランドネームが省かれている。この点について担当者に聞いたところ、コンパクトサイズを実現するために、ライカ基準の一部をあきらめざるを得なかったということらしい。具体的には、歪曲収差の基準をクリアするのが難しかったようだ。
とはいえ、セットレンズのクオリティーとしては十分だと感じるし、これからのパナソニックの将来を考えれば、LUMIXブランドの交換レンズというのも悪くないように思う。比較的価格の安いLUMIXレンズをリリースすれば、光学性能にとことんこだわったライカレンズを高価格帯のプレミアムブランドとしてラインアップできるだろう。まあ、これは私の邪推かもしれないが。
マイクロフォーサーズが狙うのは、老舗メーカーがカバーしていない層だ
さて、そろそろマイクロフォーサーズ規格とG1についてのまとめに入りたいと思う。
2003年10月にオリンパスイメージングが発売した、フォーサーズシステムの一号機「E-1」。防水・防塵性能も備えたプロ向けモデルだ
マイクロフォーサーズは、フォーサーズ規格にもっともふさわしい規格なのではないかと思う。
オリジナルのフォーサーズ規格(フォーサーズマウント)は、光学性能を欲張りすぎてマウント径を大きく取りすぎてしまったのではと感じる。あの当時は、まだデジタル一眼レフの黎明期。キヤノンとニコンは、デジタルカメラに最適化されていないフィルム一眼レフ用のレンズを利用するしかなかった。そんな時代だったからこそ、最高のデジタルシステムを作り上げようと張り切ったのだろう。
もちろん、そのこと自体は失敗ではないと思う。だが、その張り切りすぎた規格のため、コンパクトさが売りになるはずのシステムが思うように小型化されなかった。結局、中途半端なポジションになってしまった気がする。
もし、E-420のような小型のカメラが最初から登場していたら、そしてそれに見合うサイズのレンズが豊富に用意されていたら、マイクロフォーサーズ規格は登場しなかったのかもしれない。小型化こそフォーサーズの活路だと認識しているからこそ、マウントを変更するというダイナミックな仕様変更(実際は変更ではなく追加だが)ができたのだろう。
我々は、デジタル一眼(レフ)というと、とにかく高画質で高感度にも強い、そしてプロが仕事にも使えるような防塵・防滴性能を持つ高性能なカメラが優れている、という判断を下してしまいがちだ。だが、その一方でカメラに詳しくない一般ユーザーは、軽くて簡単で高画質、しかも価格もお手ごろというカメラを望んでいる現状がある。
一般ユーザー層の心をつかむカメラを作ることが、今後のカメラメーカーの大命題となっているのは周知の事実だ。キヤノン、ニコンをはじめとするカメラメーカーは、この層をどう攻略すればよいのか、いまだ明確なビジョンを持てないでいるようにも見える。G1がピンポイントに狙っているのが、まさに一般ユーザーだろう。











