日本では全国民が、その職業などに応じていずれかの公的な医療保険制度に入ることになっている。病気やけがをしたとき、費用の心配をせずに医者にかかれるようにするためだ。公務員などを除き大きく分けると、会社員とその家族は健康保険、自営業者とその家族は国民健康保険(国保)に入る。

 健康保険はさらに2種類に分かれる。勤め先の会社に健康保険組合(健保組合)がある場合とない場合だ。健保組合があれば従業員とその家族はその健保組合に加入し、ないときには政府が運営する政府管掌健康保険(政管健保)に入るという仕組み。比較的大きな企業が健保組合をつくっていることが多いので、政管健保加入者はどちらかといえば中小企業の社員やその家族ということになる。政管健保加入者は約3600万人に及ぶ。

 この巨大な制度が10月1日から生まれ変わる。今現在、政管健保に入っている人はもちろんのこと、それ以外の人たちも転職などで政管健保に入るかもしれない。また、最近では健保組合の運営が苦しくなり、解散する組合も出てきている。そうなると、政管健保に加盟することになる。そういう意味で、知っておいて損はない。概要を見てみよう。

 端的にいうと、変わるのは政管健保の運営者。これまでは、厚生労働省の一組織である社会保険庁が運営していた。10月1日からは新たな公的法人である全国健康保険協会(略称、協会けんぽ)が運営することになる。年金記録問題で不祥事続きだった社会保険庁は2010年1月に廃止される予定。それに先んじて、新しい組織をつくって、バトンタッチするのだ。協会は役所ではないので、職員も公務員ではなく、民間会社員と同じような扱いになる。親方日の丸の意識を捨て、民間の創意工夫で効率的な運営や、加入者へのサービス向上を目指すという。