発売当日に1000人を超える行列を生み出し、一大ブームとなったアップルのiPhoneだが、最近は勢いが失速している、実はそれほど売れてないんじゃないか、といった報道が目立つようになってきた。しかし、本当にiPhoneの人気は失速しているといえるのだろうか? 端末の性質とブームをもたらした要因から考察してみよう。
普通の携帯電話とは軸が異なるiPhone
「猫も杓子(しゃくし)もiPhone」といわんばかりの勢いで、ネット内外を問わず一大フィーバーを巻き起こした、2008年7月11日のiPhoneの発売日から2カ月余りが経過。このところ、「iPhone失速」「人気に陰り」といった報道を目にする機会が増えるようになった。ソフトバンクモバイルはiPhone 3Gの出荷台数を明らかにしていないが、各種報道によるとiPhone 3Gの販売台数は、現在のところ20万台かそれを下回る程度であるという。
携帯電話端末の各種販売ランキングを見ると、iPhone 3Gの16GBモデルがソフトバンクモバイルの中で売れ筋となっており、現在も人気端末の1つであることは確かだ。しかし、発売直後は品不足で購入するのに順番待ちが必要になる状況であったのに対し、現在では各ソフトバンクモバイルショップですぐ購入できるくらいに落ち着いている。発売当初と比べれば販売台数が落ちているのは事実と考えられるだろうが、それだけでiPhoneを「失速」と片付けてしまうのは、少々疑問を感じざるを得ない。
その最大の理由は、iPhoneが普通の携帯電話とは全く異なる性質の端末であるということだ。私が過去に執筆した記事をはじめ、日経トレンディネットの記事でも何度か説明がなされているが、iPhoneは日本の一般的な携帯電話と大きく異なるものであり、同列で比較するのには問題があると感じている。
iPhoneは無線LANでしかiTunes Storeが使えない、メールの設定を手動で行わなければならない、そもそもPCと接続しないとアクティベートできない場合がある……など普通に利用するのにもPCならびにPCの知識が大前提となる。こうした要素は、よくいわれる「ワンセグ、FeliCa、絵文字など日本独自の機能に対応していない」といった理由以前の問題であり、そもそも普通の人が設定など行うことなく、ボタンを押すだけでメールやWebが使える日本の一般的な携帯電話とは性質が大きく異なることを明確に意味している。
こうしたPC的な性質に加え、AppStoreによってネイティブ・アプリケーションが追加可能であるなどソフトウエア的に自由度が高いことを考慮すると、iPhoneは「WILLCOM 03」「EMONSTER」といったスマートフォンのカテゴリーに属する端末だといえる。それゆえ「PCの知識を持った人」が「2台目」として利用するには便利だが、そうでない人達が手にしても使いこなすのは難しく、同じくくりで考えることのできるものではない。











