スイーツの世界にも、ほかの流行と同じように栄枯盛衰がある。一過性のものと分かっていても、「ある程度は売れる」という魅力に負け、手を出してしまうところも多いだろう。スイーツも商売なのだ。

銀座4丁目交差点から1本入ったあづま通りの一角にある。1階はテイクアウトのカウンターで、イートインの店舗は2階となっている(画像クリックで拡大)

 そのように世の流行に乗っかる形で新商品を出す店舗が多いなか、従来のメニューにさらなるアレンジを加え進化させたことで、人気を博している店が銀座にある。連載第4回目に紹介するのは、「銀座 ぶどうの木」。1980年の創業当時、日本では珍しい皿盛りのデザートを出す店としてオープンした。今でも、2階の店舗へ入るために、時間帯によっては外まで長い行列ができる人気店だ。

 同店で現在人気メニューとなっているのは、スフレ・オ・フロマージュ、直訳すると「チーズのスフレ」だ。スフレというのはココットという器に材料を入れてオーブンで焼き上げるスイーツ。空気を大きく含むため、ベストの状態なのは一瞬しかない。オーブンから出した直後から、しぼむまでのカウントダウンが始まってしまう。しぼむと、スフレが抱え込んでいる空気がどんどん抜けていき、味はもちろん、ふわっとした食感も損なってしまう。テーブルに置いてから、およそ10秒でその変化は目に見えて現れる。