2006年10月に開始されたMNP前後には絶好調だったau。しかし、現在ではソフトバンクモバイルの後塵を拝し、かつての勢いは見られない。音楽とデザインケータイで若者の心をとらえたauは何処へ行ってしまったのだろうか。果たしてこの先、巻き返す手段はあるのか。auのこれからの戦略を高橋誠コンシューマ事業統轄本部長に聞いた。

販売奨励金をなくそうとしたがiPhone 3Gは販売奨励金モデルだった

――iPhone 3Gが上陸しましたが、日本でおなじみだった「販売奨励金モデル」を採用してきました。率直な感想をお聞かせください。

高橋誠コンシューマ事業統轄本部長(画像クリックで拡大)

高橋氏:販売奨励金をなくそうと政府が動いて、結局、アメリカから上陸してきたものが販売奨励金モデルでした。『なんだよ』というのが正直なところ。みんな思っているのではないでしょうか。

――日本でのビジネスモデルに世界が追いついてきたという感じでしょうか。

高橋氏:その通りだと思います。アップル/iPhoneが垂直統合モデルを導入していますが、あのようにしないと、コンテンツの価値はユーザーに伝わらないものなのです。

 僕らもこれまでコンテンツを中心にやってきたので、そういう理解をしています。

――現状、iPhone 3Gばかりが話題になっていますが、auはどのように攻めているのでしょうか。

高橋氏:Sportio」を中心に特色のあるものをそろえてきたつもりです。「フルチェンケータイ re」もあり、動画関係も日立の端末を我々の主軸として置いています。Sportioなどは2台目需要として持ちたいと考える人も多く、ユーザーの反応はいいですよ。

――ユーザーの多様化が進むなかで、Sportioのような個性のある端末が求められています。しかし、割賦販売制度が一般的になることで、ハイスペックモデルに人気が集中する傾向があります。auとしては、この2つの傾向をどうとらえて、今後の品ぞろえにつなげていくのですか。

高橋氏:そこはみんな悩んでいるところだと思います。ハイスペックなものは割賦で売りやすい。これはいいなぁと言えます。

 しかし、すべての人がハイスペックを望んでいるかと言えば、それは「NO」でしょう。ケータイ無関心層が増えているなか、ケータイの機能はこれくらいでいいという割り切ったユーザーにどうアプローチしていくかが重要になってきます。

 Sportioのように走る時に一緒にあったほうがいいケータイとか、音楽を聴くのに便利なケータイというアプローチはやっていかなくてはならないと思っています。

 いまの純増数の戦いは法人需要の取り合いになっています。コンシューマーはあまり動いていないのが現状です。(割賦販売制度の影響もあって)流動性も落ちています。それをもう1回動かすには、ハイスペックな端末でいいのか、という議論はあります。ラインアップについては戦略を練っている段階です。

――ラインアップを見ていると、やはり昨年からの統一プラットフォーム「KCP+」の導入がつまづきのきっかけだったように思えます。

高橋氏:プラットフォームのつらい時期に、いつもつらい立場にいるような気がします。前回は2000年のWAPでした。いま、苦しんでいるのは事実。しかし、統一プラットフォームは世の中の流れとしては正しいと思っています。今は苦しいが、安定してくるでしょう。