「シネマ最前線」は日経エンタテインメント!誌がお届けする映画界のトレンド&マーケティング情報です。今週の映画興行成績と、週末公開される話題作について、隔週金曜日に掲載します。

 今年で39回目を迎えるコミック・コン・インターナショナル(通称コミコン)が、米・サンディエゴで7月24日から27日まで開催された。コミック好きを対象にしたイベントで、日本でいえばコミック・マーケット(通称コミケ)といったところ。1970年にコミック好きが集まって始めたときは300人だった参加者が、今年は12万5000人を超えた。アニメやコミックのお気に入りのキャラクターのコスプレをした人々が行き交う会場は熱気がムンムン。そこが今、映画関係者の注目を集めている。

 ここ数年、映画会社は新作の宣伝の場としてコミコンを活用。スターや監督を送り込んだり、特別映像を上映している。コミコンで初めて映像を見たオタクたちが「これは面白い!」と太鼓判を押した作品が、予想を大きく上回る大ヒットとなっているからだ。

コミコン発の大ヒット

コミコンを訪れた主な俳優
キアヌ・リーブス
キーファー・サザーランド
サミュエル・L・ジャクソン
ジェームズ・フランコ
ジェニファー・コネリー
ジェラルド・バトラー
ダコタ・ファニング
ドウェイン・ジョンソン
ヒュー・ジャックマン
ベニチオ・デル・トロ
マーク・ウォールバーグ
マシュ−・フォックス
コミコンを訪れた主な監督
ザック・スナイダー
サム・ライミ
J.J.エイブラムス
マックG

 昨年では、CG製の背景のなかを人間が動くビジュアルが話題となった『300スリーハンドレッド』は興収2億1000万ドル、主演のロバート・ダウニーJr.が登場して映像を紹介した『アイアンマン』は興収3億1700万ドルを記録した。

 今年も多くのスターがコミコンにやって来た。キアヌ・リーブス、ジェラルド・バトラー、ヒュー・ジャックマン、サミュエル・L・ジャクソン……。映画祭のような豪華な顔ぶれだ。

 今年一番来場者に注目されたのは、アメコミの映画化『ウォッチメン』。あるスーパーヒーローの殺害事件を発端に、次々とヒーローが狙われるというストーリー。『300』を監督したザック・スナイダーの新作だ。6500人を収容できる大ホールでも入れなかった人が山ほどいた人気ぶり。「原作を忠実に映画化する」とスナイダー監督が言う通りのスタイリッシュな映像に、会場のファンからは熱狂的な拍手がわき起こった。「300」の成功がコミコンから生まれたこともあってか、スナイダー人気は絶大だ。

 『ターミネーター4』の会場も満員。監督のマックGは撮影中だというのにキャストを連れて駆けつけ、アクションシーンを含む映像を披露した。ほかに、キアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』やピクサーの新作アニメ2本『UP』『ボルト』、ジェラルド・バトラー主演の『ロックンローラ』、ベニチオ・デル・トロ主演の『ウルフマン』などがお披露目された。

テレビドラマも紹介

 テレビドラマも宣伝に力を入れている。SFドラマ『バトルスター・ギャラクティカ』や日本でも人気の『LOST』『HEROES/ヒーローズ』、そして今秋に始まるJ.J.エイブラムスの新シリーズ『Fringe』などが紹介された。

 年々増加する参加者をサンディエゴのコンベンションセンターでは収容しきれなくなっており、ロサンゼルスやラスベガスから既に誘致もあるという。

 『ダークナイト』や『アイアンマン』の大ヒットを受けて、来年もアメコミの映画化が相次ぐ。コミコンで映画会社が宣伝に力を入れている状況もあり、米国ではコミックと映画が近づいている。

(文/日経エンタテインメント!編集部、吉川優子=ロサンゼルス在住)