デジタル一眼レフカメラの入門機として人気が高いキヤノンのEOS Kissシリーズ。6月下旬に発売になったFと、3月に発売済みのX2を撮り比べてみた。価格差は約2万円。果たして、違いはどれほどあるのだろうか。

 今回モデルになってもらったのはグラビアで活躍中の辰巳奈都子さん。まずは安いほうのFを手にして撮影を開始した。Kissシリーズに限らず、最新の安価なデジタル一眼レフカメラはよくできていて、プロの仕事に使っても問題はない。作例写真を見てもらえば分かる通り、サイト上の写真を見る範囲ではハイエンドの機種で撮影したものと何ら変わりはない。しかし、撮影現場では、微妙に違和感があったのも事実だ。

右がF左がX2で撮影した結果(以下同様)。ハウススタジオで蛍光灯の照明装置を使って撮影した。デジタルカメラと蛍光灯の相性は抜群で、色温度をオートに設定しても自然な描写になった(画像クリックで拡大)

ポーズを変え壁に寄り掛かってもらったところを、上から見下ろすようにして撮影。サイトに掲載した写真を見る限りはFとX2の違いはないだろう(画像クリックで拡大)

 Fの連続撮影コマ数は、1秒間に3コマ。「いまだ」と思った瞬間に、シャッターチャージが終わっていなくて、表情を撮りそこなうことがあった。そこでX2に持ち替える。連続撮影コマ数は、ほんのわずかに増えて1秒間に3.5コマとなる。音を聞いているだけでは、差をあまり感じなかったが、ファインダーをのぞきなら実際にシャッターを押していると明らかに違う。撮り逃すことがほとんどない。写される側の辰巳さんも、2機種のテンポの違いをはっきり意識したらしい。X2のほうが、写されやすいというのだ。

 被写体と1対1の撮影では、カメラが刻むリズムが重要になる。あまり早すぎても意味がない。モデルが「このカメラマンは、いまの表情が好きなんだな」という具合に、シャッターを切るタイミングでコミュニケーションを図りたい。ハイエンドの機種では、ついついせっかちになりすぎで、モデルをおいてけぼりにしてしまうことがある。かといってFの秒間3コマでは遅い。今回の撮影では、3.5コマがベストだったということになる。おっとりとした美人の辰巳さんのタイミングなのかもしれない。