「着地型旅行」という言葉をご存じだろうか。

 旅行業界で数年前から注目され始め、先進的な旅行者はすでに活用し始めている。着地型旅行とは、「着地(旅行先)の旅行会社やNPOなどの法人が企画した現地発着ツアー」のこと。ハワイなどでおなじみの「オプショナルツアー」の国内版である。

 これまで国内旅行というと、「発地(出発地)」側の旅行会社が行程を組んで商品を作っていた。しかし、少々斜に構えた言い方をすれば、その旅先のメニューは、“大量販売の見返りとして10〜20%もの手数料を払うのをいとわない観光施設”を旅行会社が揃えて行程化した「売り手商品」。多くは観光客向けに用意された定番の観光地ばかりであった。

 ところが、消費者はそうした大量販売の定番ツアーに満足しなくなってきた。「その土地ならではの体験をしたい」「地元の人が行くような店で、地元の人が食べるおいしいものを食べたい」――。そうした旅人としての当たり前の潜在欲求が徐々に表れてきた。そうした欲求を満たすスタイルとして、小ロット多品種の「着地型旅行」が注目され始めてきたのだ。