auは、2008年夏モデルから新しい端末販売方法と料金プランを導入し、これによりユーザーは「新シンプルコース」と「フルサポートコース」のどちらかを選ぶことになった。いったい、どちらの方が安いのだろうか? 比較の決め手となるのは、「店頭での端末の価格差」と、「購入した端末をどのくらい使い続けるか?」という2点になることが分かった。そこで今回は、端末の購入方法や購入した端末の利用期間などをシミュレートし、新シンプルコースとフルサポートコースのどちらが安くなるのかを検証してみることにしよう。
 なお、これまで2回に分けて「複雑になった『新シンプルプラン』、選択するメリットはあるのか?【その1】」と「複雑になった『新シンプルプラン』、選択するメリットはあるのか?【その2】」の2本の記事を掲載しているので、そちらも合わせて見ていただきたい。

複雑難解な「新シンプル」とポイント増の「フルサポート」、どちらが安い?

 まずは、下の値札を見てほしい。これは、8月11日に都内の大手量販店に並んでいたau端末に張られていた値札だ。今回、店頭に掲示してあったものとほぼ同じものを作ってみた。

 これを見て、「何だこれ? 全然分からない!」と思う人が多いだろう。「シンプルコース」といいながら、実はまったくシンプルではなく、複雑怪奇で難解な価格表記となっている。これを見ただけで、どちらが安くて得なのかを判断できる人は、ほとんどいないだろう。正直にいって、筆者もどちらが得なのかはとっさに判断できなかった。

 そこで今回は、新シンプルコースとフルサポートコースのどちらで買えば安いのか、どちらが得なのか、ということを徹底的に分析してみたい。2つの料金プランの価格差、獲得ポイント、フルサポートコースの解除料を含んだうえでの総支払額をシミュレーションしてみた。前提条件の説明のために記事が長くなってしまったが、ぜひ参考にしてほしい。

両コースの公式な価格差は2万1000円だが、実態は異なることが多い

 auの端末販売方式は「au買い方セレクト」と呼ばれており、2008年夏モデル以降は「新シンプルコース」と「フルサポートコース」の2通りから選ぶことになる。2つのコースの違いは下記の通りで、フルサポートの方が2万1000円安いというのが公式の説明だ。カタログやWebサイトで掲載している通り、「購入サポートとして2万1000円の補助がある」という建前だからだ。

■「新シンプルコース」と「フルサポートコース」のメリット&デメリット
 (黄色の網掛けは優れている部分を示す)
新シンプルコース フルサポートコース
分割ローン 頭金0円=お持ち帰り0円、
24回か12回の分割ローン
一括払いのみ
端末価格 高い
(価格はショップや機種によって異なる。
フルサポートコースより1万〜2万円前後高い場合が多い)
安い
(価格はショップや機種によって異なる。
新シンプルコースより1万〜2万円前後安い場合が多い)
利用料金 割引あり
(プランSSシンプルで-910円、
一般的なプランで-840円)
割引なし
利用期間の縛り 縛りなし
(いつでも機種変更可能)
縛りあり
途中の機種変更・解約には、以下の解約料がかかる※1
6カ月まで…2万1000円
12カ月まで…1万6800円
18カ月まで…1万2600円
24カ月まで…6300円
25カ月以上…0円
マンスリー
ポイント付与率
(別表も参照のこと)
常に一定
100円で2ポイント(2%)
1カ月の支払い料金に応じて変化する
5000円未満…100円で4ポイント(4%)
1万円未満…100円で5ポイント(5%)
1万円以上…100円で7ポイント(7%)
25ヶ月以上の
継続利用時
特になし 新シンプルプランへ変更可能
(その場合、ポイント付与率は新シンプルコースと同じになる)※2
※1 2009年2月1日以降の解約料。それ以前にフルサポートコースで契約した人でも、2009年2月1日以降に機種変更・解約すると、この解約料となる
※2 フルサポートコースで25カ月以上同じ機種を利用した場合に新シンプルプランへ変更すると、ポイント付与率も新シンプルコースのものになる(KDDI広報によるコメント)

 しかし、この2万1000円はあくまでも建前であり、公式の説明にすぎない。ユーザーに直接の補助があるのではなく、ショップ側が2つのコースの価格を決めているからだ。

 実際に、両コースの価格差を2万1000円にしているのは、大手量販店とau直営店などの公式の値札のみだ。たとえ大手量販店でも、オプション加入時などは2万1000円の価格差が崩れていて、3万円近くフルサポートが安いところもあるし、逆に1万円しか差がないこともある。つまり、「新シンプルコースはフルサポートコースより2万1000円高い」という前提は忘れたほうがよい。それよりも、店頭での実際の価格差を基にして、どちらが安いか判断するべきだ。