薄型テレビの隠れた激戦市場がホテルである。

 もともとブラウン管テレビの時代には、高級ホテルですら、テレビは、「あればいい」というものでしかなく、どちらかというと価格競争の舞台となっていた嫌いがあった。

 だが、デジタル化と大画面化の進展によって、テレビの存在が、ホテルの差別化要素の一つに位置づけられるようになり、高級ホテルが、先を争って薄型テレビの導入に乗り出しているのだ。

 実際、都市型の高級ホテルでは、「最高級の部屋においては、テレビは、家具や調度品と同じく、最高のものでなくてはならない」といった声が聞かれ、薄型テレビの選択が重要な要素になっているほか、長期滞在型の高級リゾートホテルでは、「自宅にあるテレビよりも大きいということが、部屋選びの一つの条件ともなっている」との声があり、もはや、薄型テレビは、ホテルにとって、「あればいい」から、「付加価値」へと位置づけが変わっていることが裏付けられる。

 なかでも、シャープ、松下電器産業は、この分野の取り組みに積極的だ。もともとシャープは、ホテル市場においては高いシェアを持っていたが、それは「価格戦略」を背景としたもの。だが、液晶テレビ「AQUOS」を投入してからは、先進ブランドとしての「価値」で売れる、というように状況が変わっている。

 とくに、帝国ホテルのインペリアルフロアへAQUOSが導入されて以降、全国の高級ホテルから注目を集め、高級ホテル市場では、シャープがトップシェアを誇っている模様だ。

 こうした中、後発ながら、徐々にシェアを高めているのがソニーである。