今年も暑い夏がやってきた! 夏を涼しく過ごすために遊ぶ、ホラーゲームを大特集。この2008年の夏はここ数年でもちょっと珍しいホラーゲームの豊作で、この6~8月だけでも新作やリメイク、他ゲーム機からの移植作品なども含めると10作品以上の発売が決定している。

 特に今年はプレイステーション3(PS3)をはじめとした新世代ゲーム機に対応した作品も多く登場し、これまで以上に「怖い」作品が数多く発売される予定だ。そこで今回、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より発売となるPS3対応の新作ホラーゲームを筆頭に、この夏のラインナップから厳選したホラーゲームを紹介していこう。

 その前編となる今回は、前述のSCEのPS3最新作『SIREN: New Translation』の開発者にインタビューを敢行。「怖いゲームの作り方」を訊いた。

日本土着の怖さを体験できる『SIREN』シリーズ

 この『SIREN: New Translation』は、一部のファンより絶大な支持を得るホラーゲームシリーズの最新作だ。映画『リング』や『呪怨』などで確立されたジャパニーズホラー独特の怖さを意識した演出や、緻密な取材による舞台設定などが定評の『SIREN』シリーズの3作品目にあたる。今回登場いただいた外山氏は、これらシリーズのすべてを手掛けてきた、ホラーゲームのスペシャリストだ。

ソニー・コンピュータエンタテインメント
JAPANスタジオ
インターナルプロダクション部
シニアゲームデザイナー
外山圭一郎氏

SCEで『SIREN』シリーズの企画原案、ディレクション、ゲームデザイン全般を手掛ける、生みの親的存在。かつてはKONAMIに在籍し、これまた有名なホラーゲーム『サイレントヒル』シリーズを手掛けていた

PS3で発売となる『SIREN: New Translation』。生け贄の儀式が行われているという「羽生蛇村」へとやってきたアメリカの超常現象を扱う番組のTVクルーたちが、鳴り響くサイレンの音とともに謎の事件へと巻き込まれていく
(C)Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.(画像クリックで拡大)

――まず最初に、『SIREN』というゲームの大まかな特徴をお聞かせください。

外山氏:『SIREN』というシリーズは、もともと3つのコンセプトのもとに制作されたホラーゲームです。まず最初にあるのが「日本の土着の怖さ」を追求していることですね。日本の閉鎖された村の中で起こる事件というのが、すべてのシリーズで踏襲されています。次にあるのが「群像劇形式」。複数の主人公が存在して、それぞれ視点から大きな事件の謎を解いていくという内容になっています。そして最後に、アクションゲームの要素としてあるのが「視界ジャックシステム」です。敵キャラクターの「屍人(しびと)」や、仲間の見ている映像を盗み見て、敵の視界から逃れながら行動するという要素ですね。『SIREN』シリーズはこれら3つの要素を必ず引き継いでいるのが特徴です。

PS2で過去に2作品が発売されたシリーズ。『SIREN』(画像左)は「羽生蛇村」、『SIREN2』(画像右)は「夜見島」という閉鎖的な空間が舞台で、複数の主人公が物語を繰り広げる。怖すぎて打ち切りとなったCMや映画化など、話題に事欠かなかった
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――その最新作となるのが、この『SIREN: New Translation』なんですね。

外山氏:そうですね。初代から数えて3作目となります。本作は初代『SIREN』の舞台設定である日本の山奥にある村での出来事という部分を引き継いで、主人公を一新した「新訳」という形になっています。これまで主人公はすべて日本人のキャラクターでしたが、今回はそれを外国人に置き換えて、異文化視点から見る怖さをテーマとしました。

プレーヤーが操作する複数の主人公たちはそれぞれ別の場所で、ゾンビのような屍人の追撃から逃れながら、特定の条件を満たすために行動する。できるだけ屍人に見つからないように行動するのが基本だ
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