8月7日に発売が決定したXbox 360用『テイルズ オブ ヴェスぺリア』。シリーズ初の次世代ゲーム機版の開発秘話を、プロデューサーを務めた郷田 努氏と樋口義人氏の2人に聞く。

ユーザーの期待を一身に受け、背水の陣で望む

樋口義人(ひぐち よしひと)
バンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部 第6制作ユニット 制作プロデューサー。本タイトルで制作現場を統括するクリエイティブプロデューサー。映画に例えると、監督としての役どころを果たした(画像クリックで拡大)

――Xbox 360で『テイルズ オブ ヴェスぺリア』(以下、ヴェスぺリア)の開発に踏み切った理由をお聞かせください。

樋口義人氏(以下、樋口氏):『テイルズ オブ ジ アビス』の制作が終盤にさしかかった頃から、次世代ロールプレイングゲーム(以下、RPG)の研究に取りかかっていました。当初はプレイステーション 3とXbox 360のどちらでいくかは決めていませんでした。その次世代RPGの研究が一段落したときに、全世界での普及度などにより、Xbox 360で制作することを決めました。

郷田 努氏(以下、郷田氏):「ワールドワイドで、もっとも普及しているハイデフ機ですし、海外の市場にも日本の文化やサブカルチャー……アニメやゲームなどが受け入れられる土壌ができてきたことも理由の一つですね。そうした側面からも、挑戦するには最適なタイミングでした。実際に4月にサンフランシスコで発表させていただいたのですが、おかげさまで高い評価を得られました。“アメージング”と言ってもらえましたしね(笑)。

――やはりXbox 360向けの一番の見どころは、ハイデフに対応したビジュアルですよね。

樋口氏:プレイステーション2など、従来の据え置き型ゲーム機との違いが、もっとも大きく現れる部分ですよね。ただ、『テイルズ オブ』シリーズであるからには、ハイデフ映像を使った実写的な表現ではなく、トゥーンシェーディングを利用した、アニメ調の質感を追いかけないといけません。そこで僕たちが目指したのは、やっぱり藤島康介先生がデザインしたキャラクターが、あのたたずまいのまま、ゲームの中で動くことなんですよ。

郷田氏:当然、今後も『テイルズ オブ』シリーズは、ハイデフ映像が扱えるゲーム機に登場するでしょう。そういったときの指標になれるタイトルを目指しました。ハイデフ映像での1作目ではありますが、今までシリーズを制作してきて積み上げてきたものを、一番良い形でパッケージングできたと思いますね。クオリティにしても、ボリュームにしても、我々は胸を張って過去最高と言えるものを提供しますよ。

郷田 努(ごうだ つとむ)
バンダイナムコゲームス CSカンパニー 第2プロダクション 第4課プロデューサー。『テイルズ オブ ヴェスぺリア』でプロデューサーを務め、各種メディアでのプロモーション展開を一手に引き受ける(画像クリックで拡大)

――トレーラーをインターネットや、Xbox 360のネットワークサービス「Xbox LIVE」で配信したりと、さまざまな形で実際の映像を目にできるのは、ファンにとってもうれしいところです。

郷田氏:初めて皆さんにトレイラーをお見せしたのが、昨年12月に行われた“ジャンプフェスタ”でした。あのときは事前のアナウンスは一切行わず、サプライズで上映したんですよね。そのときにも大きな反響で、年末にはバンダイナムコゲームスのホームページで配信を開始したんです。

樋口氏:ありがたいことに、あっという間に200万ダウンロードを突破しまして……最初はケタを1つ見間違えてると思ったほどです。

郷田氏:また、今年に入ってからのXbox LIVEでのトレーラー配信で、お客様の期待が一段と高まったようにも感じています。やはりXbox 360を接続しているテレビで、実際にハイデフ映像を目にすると印象が大きく変わりますよね。

樋口氏:お客様の期待がひしひしと伝わってきてますね。もう逃げ場がないというか……(笑)。

郷田氏:背水の陣でやってます(笑)。

ハイデフ映像に対応したゲーム機で初の『テイルズ オブ』。藤島康介氏デザインのキャラクターが、イラストと遜色のないクオリティーで動くさまは、まさに夢の光景だ(画像クリックで拡大)