「地上デジタル放送に完全移行する日は次のうちどれでしょうか」。
最近、テレビのクイズ番組を見ていると、この手の問題がやたらに多い。しかも、回答者として参加しているテレビ局のアナウンサーが答えられなかったりする。
実は、これには理由がある。
業界をあげて、地デジ完全移行に向けた啓蒙活動の一環としてクイズ番組が活用されているからだ。
総務省情報通信政策部会では、有識者などが参加する「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」を設置しており、その中で、視聴者に対する地デジ意識の浸透策の一つとして、プライムタイムに放映されるクイズ番組を活用しようという提言がなされているのだ。
回答者が間違えることで、より印象を深く植え付けるという狙いもあるだろうが、なかには、本当に答えられないアナウンサーがいるかもしれない。
スポーツ番組でも同じ傾向がみられる。
「地上デジタル放送では、より鮮明な画像でお楽しみいただけます」というフレーズが、アナウンサーから頻繁に聞かれるのも、地デジへの移行を促進させるための訴求策というわけだ。
さらに細かくいうと、在京キー局ごとに、強化月間が設けられている。
6月は、TBSが強化月間に当たる。そして、8月は日本テレビ、9月はテレビ朝日が強化月間となる。当該月にあたる局では、上記のようなフレーズが増える可能性が高いというわけだ。
テレビ局にとって、地デジの訴求は、重要な課題となっている。
地デジのインフラが整わなければ、本来の目的である「放送」が成り立たないからだ。
そして、地デジの普及とともに、テレビ局は、テレビ視聴の機会を、テレビだけに絞り込むという発想をやめている点も興味深い。











