乙女ゲームはゲーム業界の<ジャニーズ・ビジネス>

 乙女ゲーム市場をけん引しているユーザー像を「乙女ゲーム・オブ・ザ・イヤー2007」の投票者から探ってみると、10代・20代が全体の8割以上を占めていることが分かった。ふりーむの大西氏は、「自由にお金を使えるようになる18・19歳あたりから、30歳前後までが活発なユーザー層」と見ている。

 彼女たちが、乙女ゲームにハマる最大の要因は、「男性声優」にあるようだ。最近では、石田彰や保志総一朗といったアイドル並みの人気を得ている男性声優も少なくない。「好きな声優がキャラクターボイスを担当するゲームならば“即買い”する」(前出の藤沢さん)という熱狂的なファンも存在する。

 こうしたファンに支えられた人気声優を擁するゲームタイトルでは、派生商品が次々に市場に投入される。ドラマCDやオリジナルDVDなどのグッズ、ライブイベントなどは、いずれも成功を収めている。

 一方で、キャラクターから世界にハマったゲームファンに対しても、新しいユニット(新キャラクターとの組み合わせや新設定のゲームなど)を作ることで、さらに求心力を高める。

 幾重にも用意した仕掛けによって、ファンを飽きさせない。こうして囲い込んでいく様子を、「乙女ゲームはゲーム業界の<ジャニーズ・ビジネス>だ」と大西氏は例える。

 ただし、人気声優やキャラクターが登場するゲームなら何でもヒットするわけではない。ゲーム性も重要なファクターだ。その評価を左右するのは圧倒的に「シナリオ」だ。奥行きのある世界観を表現し、いかにユーザーの妄想を膨らませられるかが成功の鍵になると大西氏は分析する。

 また、メーカーが注目しているのは彼女たちの口コミ力だ。自身でブログを開設したり、SNSを活発に利用しているユーザーの割合が高い。ゲームの良し悪しがネットを通じて瞬く間に広がる現象がすでに起きている。そのためメーカーは、ユーザーの満足度を持続させようと躍起になっているのだ。