2008年6月3日、ソフトバンクモバイルは夏モデルの発表を行った。だが翌日、同社がiPhoneを発売することを発表したことで、夏モデルの印象が吹き飛んでしまった人が多いかもしれない。そこでここでは改めて、ソフトバンクモバイルの夏モデルから、7月11日のiPhoneが発売されるまでの同社の戦略に迫ってみたいと思う。

端末面では「女性」に的を絞った展開

 今回の夏モデルで、ソフトバンクモバイルがテーマとしたのが「女性」だ。これまでも「PANTONEケータイ」や「fanfun」、「THE PREMIUM」などで端末のデザイン性をアピールし、女性向けにも訴求を行ってきた同社だが、注目を集めるのはどうしても「AQUOSケータイ」「インターネットマシン」などのハイエンドモデルや、ホワイトプランに代表されるような料金施策になりがちであった。そこで改めて女性向けモデルを強化することで、弱点を克服しようという狙いがあるのだろう。

 特に力を入れているのが「防水機能」である。同社の防水ケータイは、春モデルの「822T」のみと他社と比べ遅れが目立っていた分野でもあり、ここにきて巻き返しを図ろうという狙いがあるものと思われる。お風呂場で携帯電話を使う女性が増えてきているというのはもちろんだが、近年ちょっとした水濡れで端末が故障に至るケースが増えていることから、防水に対する取り組みが進んでいるということは大いに歓迎したい。

 また、女性の「持ちやすさ」にこだわったというのも一つのポイントとなるだろう。代表執行役兼CEOの孫正義氏は、女性の持ちやすい端末の幅は48mmであると訴えていたが、今回投入された端末は全て約48〜50mmの幅に収められている。筆者もここ最近、特にディスプレイの大型化の影響で幅の広い端末が増えていることが気になっていたので、この点に注目したのは大きいといえる。

 また、これは女性限定の取り組みという訳ではないのだが、絵文字のデザインを見直したり、他社携帯電話への送信を考慮した絵文字パレットを用意した、というのも評価すべきポイントである。装飾メールの機能を利用した、いわゆる「デコメ絵文字」の利用が高まりつつある中、「何故今、内蔵の絵文字を変更するのか?」という疑問を持つ人もいるだろうが、それでも標準の絵文字の利用率が高いのは事実である。特にメールを多くやりとりする女性にとって絵文字は重要な存在であり、これが改善されるということは、女性に対して意外と大きな影響を与えるかもしれない。

女性の需要が高い、薄型の「防水ケータイ」を実現した「824SH」と「823P」。水中に沈めても問題なく動作しているのが分かる(画像クリックで拡大)

メールで頻繁に使用する絵文字を見直したというのも大きなポイント。左が従来の絵文字、右が新しい絵文字である(画像クリックで拡大)