2008年5月27日、NTTドコモの夏モデルとなる906i、706iシリーズの発表会が行われた。ロゴも一新して新生ぶりをアピールする同社だが、今回のモデルは、ハード的に見ると905i、705iシリーズと大きく変わっておらず、マイナーチェンジの印象がぬぐえない。だがそうした中にあっても、NTTドコモが確実に一定の方向に向かって進んでいることは見て取ることができる。それは発表会でも強くアピールされていた「動画」だ。

「ケータイ動画」への注力で動画ビジネスが本格化する?

 実は近年、携帯電話向けの動画コンテンツが急速に増えており、人気が高まっているのだが、現在「動画に最も強いキャリア」といわれているのがNTTドコモなのだ。

 NTTドコモはこれまでにも、904iシリーズでiモーションを10MBに拡張し、905iシリーズではMusic&Videoチャネルを用意するなど、キャリア独自の動画サービスを強化してきた。だが、より大きな差別化要因となっているのが、「jigムービー」などのiアプリを使って映画やアニメなどの長時間動画をストリーミング再生できるコンテンツの数々である。auやソフトバンクモバイルは携帯アプリの通信量に厳しい制約を設けているのに対し、NTTドコモは通信量制約が緩いことから、有料・無料をはじめ長時間動画を楽しめるコンテンツが充実しているのだ。

 906i、706iシリーズでは、少なくとも多くの人が利用するiモード・iアプリ関連において、動画関連の新たな機能が設けられた訳ではない。だがサービス面では、動画ポータルをリニューアルし、さらに動画の無料配信キャンペーンを実施するなど、動画コンテンツの立ち上げに力を入れていく方針を見せている。

 携帯コンテンツ業界でも、電子書籍や装飾メールなどの市場が安定期に入りつつある現在、次の成長材料が動画になるという声は高まっている。NTTドコモ自身が動画に注力することによって、動画コンテンツが活性化する可能性が高まってきたといえよう。

夏モデルの発表で強く打ち出されていた「動画」というキーワード。強力なインフラを持つNTTドコモの強みを生かした戦略といえる(画像クリックで拡大)

展示会場には、多くの動画コンテンツも展示。動画ポータルのリニューアルに合わせ、多数の動画の無料配布キャンペーンも実施するという(画像クリックで拡大)

動画コンテンツとしても提供されている「AKB48」のメンバーも来場し、ケータイ動画のアピールに一役買っていた(画像クリックで拡大)