一般住宅のインスペクション(建物調査)を数多く行う不動産コンサルティング会社「さくら事務所」。住宅の現場を知り尽くす同社の創業者・長嶋 修氏が、不動産業界の裏のウラまで解説する。

 中古マンションの世界ではいま、クロスやフローリングを張り替えるような表面的なリフォームにとどまらず、マンションの本質的な価値を上げ、以前とはすっかり生まれ変わらせてしまう「リノベーション」がトレンドだ。

 RC(鉄筋コンクリート)のスケルトン(骨組み)部分だけ残して、新築同様にしても、なお新築より安い。さらに、内装はもちろんのこと、間取りや設備に至るまで、すべて思い通りにできるのだから、人気が出るのも当然といえば当然だ。さくら事務所には中古マンションを買ってリノベーションをしたいという相談が、ここ数年の間、倍々ゲームで増加している。私が取締役を務める、中古マンションリフォームを手がける「ライフデザイン」には、今日もたくさんの問い合わせや依頼が舞い込んでくる。

リノベーションのため、骨組みのみになったマンション。配管がむき出しになっている(画像クリックで拡大)

リノベーション後のマンション。中古マンションを自分で購入すれば、内装や間取りは自分好みに(画像クリックで拡大)

 ただし、新築マンションの圧倒的な流通量に比べれば、中古マンションのそれははるかに少ない。そのため、理想の中古マンション探しはなかなか大変なことも事実だ。この「流通量の少なさ」という壁を乗り越えて最適な中古マンションを見つけることができれば、自分オリジナルのマンションを手に入れることができる。

 ところで、この「リノベーション」には大きな落とし穴があり、この落とし穴に陥ったケースを、私たちは「なんちゃってリノベーション」などと呼んでいる。このなんちゃってリノベーションが、購入者の無知に乗じて跋扈しているので注意したい。見抜くポイントはいくつもあるのだが、最もわかりやすい事例をお知らせしよう。