日本の携帯電話産業は、非常に高度な進化を遂げながらも、海外で全く存在感を示すことができていないというのはご存じの通りだ。最近ではこれを特異な生態系を持つガラパゴス諸島になぞらえ、「ガラパゴス化」「ガラパゴスケータイ」と呼ぶことが多い。
ウィルコムが5月26日に都内で行った、新機種及び次世代PHSの発表において、同社の喜久川政樹社長は冒頭でこの「ガラパゴスケータイ」を用い、「我々はガラパゴスケータイを目指さない」と宣言した。これは国内の携帯電話事業者と同じ戦略をとらずに一線を画していくという意思表示の現れといえるが、ではウィルコムは何を目指して進化を遂げていこうと考えているのだろうか?
おさいふケータイへの対応は「生活必需品」への進化
喜久川氏がウィルコムの目指す方向として示したのが、「生活密着型」「スマートフォン」「次世代へ繋がる端末」の3つである。
最初に示した「生活密着型」に関しては、2つの発表がなされている。1つは、現在ウィルコム端末の中で高い人気を博している「HONEY BEE」の新色として、沖縄のアイスメーカー「ブルーシール」とのコラボレーションモデルが登場したこと。そしてもう1つは、端末こそ公表されなかったものの、FeliCa対応の「おさいふケータイ」を投入する予定であるということだ。
特に後者は大きな意味を持つだろう。首都圏においては、おサイフケータイで決済可能な店が急速に増えたことで、財布なしで日常生活を送ることも不可能ではなくなりつつあるし、地方においてもJRグループの対応が進んできたことや、セブンアンドアイやイオンが独自の電子マネーを導入したことで、利用可能な場所が増えてきている。主要3キャリアだけでなく、ウィルコムがおさいふケータイへの対応を進めたということは、それだけ電子マネーが生活必需品へと近づきつつあることの現れと見て取ることができる。
もっとも今回の発表において、ウィルコムがおサイフケータイで対応するサービスとして発表されたものの中に、nanacoやWAONが含まれていなかったのはやや残念な所でもある。端末投入自体まだ先の話ではあるのだが、生活必需品という意味では、コンビニやスーパーで使えるこれらへの対応もぜひ進めて欲しい所だ。
















