2008年3月28日、ケータイ業界をビックリさせた「NTTドコモ、夏野剛執行役員の退任報道」。同社広報部に確認したところ、「人事のことは何もコメントできない」という。しかし、報道では本人のコメントも載っており、信ぴょう性はかなり高そうだ。iモードの生みの親でもあるだけに、業界へのインパクトは大きい。

 ただ、昨年ぐらいから、多くの業界関係者の間で「夏野さんは辞めるのではないか」という“うわさ話”が出ていたのも事実。それだけに「ついにこの日が来たか」という思いもある。

 さて、筆者は今年2月に夏野氏に対してこの新連載用にインタビューをしていた。そのころの発言を振り返ると、まだまだNTTドコモでビジネスを手がけていくように見えていたのだが――。

欧州でもマルチメディアサービスが主流に

 2008年2月、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2008」。会期も3日目になると、時差ボケと連日の原稿書き、さらには取材で身体もかなりクタクタになってくる。会場は広く、取材すべきブースが多かったり、また日本からも相当数の業界関係者が集って来ているため、ちょっとした立ち話の時間も長くなる。

 昼下がり、カフェで休憩した後に会場に向かおうと、トボトボと歩いていると、遠くの方からサングラスをかけた怪しい日本人が声をかけてきた。

 「おぉ。久しぶり!」

 誰だぁ? と思ったら、NTTドコモの夏野剛マルチメディアサービス部長ではないか。実は広報の計らいで、特別に夕方に取材の時間が設定されていたのだった。

 業界のキーマンに、あれこれ本音を語ってもらう(つもりの)この連載。いろいろと考えた末、1回目のターゲットは、やはりiモードの生みの親でもある夏野氏が適任だと担当編集者とも話し合っていた。しかも、世界のケータイビジネスが一同に介しているバルセロナというのも場所として申し分なし。夕方、早速、インタビューが始まった。

海外でもそのパワフルぶりは変わらない。NTTドコモの夏野剛マルチメディアサービス部長とスペイン・バルセロナでインタビュー(画像クリックで拡大)